第31話⁂異常性!⁂


息子の雅彦は父大蔵による嫁リンダ強姦事件を機に、あんなに優しい人生のお手本だった父大蔵の本質は、全く異質の違う次元を彷徨う只の精神異常者だったのではないか?

折に触れて感じるのだ。


父大蔵は、何故あのような卑猥なポラロイド写真を、集めていたのだろう。

そしてあの恐怖に脅えおののいた女性たちは、一体何処に消えたのか?

生存しているのか?

それとも・・・


父大蔵は俺が子供の頃から写真を取るのが趣味で、よく撮ってくれたものだ。

取り分け家族の肖像写真を撮るのが好きだった。

家のダイニングには、所狭しと家族の肖像写真がフレームに収められている。


それでも…あんなに家族思いの父が、実は、裏では女性の淫らな写真集めに没頭していたなんて………?

あの家族写真は只の家族を油断させるための、隠れ蓑だったのではないだろうか?


そういえば、小さい頃、まだ俺が幼稚園の頃だと思うが?

俺は父に連れられ愛知県尾張旭市の「森林公園」カブトムシの採取が出来る穴場スポットに連れられて行った事が有る。


森林公園は広大な敷地内に、植物園(有料)や遊具が揃った児童遊園地、バーベキュー、ボート池、テニスコート、乗馬施設などが有り、地元民に愛される公園。


名前の通り、緑が生い茂り木や植物に囲まれた公園。

また自然が豊かでバードウォッチングにも最適。


もちろんセミや蝶々などの昆虫採集ができるので、多くの子供が昆虫をもとめてやってくる。

  *~✿*花にたわむれ*・おどる⋆ ✰ 。❀⋆* ⋆🌺

美しい蝶は粉雪のように❀。⋆*。軽やかに✰⋆


カブトムシやクワガタも採れるので、昆虫マニアには有名な公園だ。

それから何より、名古屋から車で三〇分前後で到着できる魅力の場所。


あの日は家の不動産であるマンションに、一泊したんだ。

それでも…どういう訳か、あの日は、母が居なかったんだ。


俺は父に最近、にわかにスポットを浴び出した、マンション〔佐々木不動産〕の第一号マンションの住み心地とチェックも兼ねて、連れて行ってもらったのだ。


男二人なので外食を済ませ、マンションに戻りササッとシャワーを浴び、眠りに付いたのだが………?


管理人のオジサンが「カブト虫を取りたいのなら夜が良いヨ!」

と教えてくれたのを俺はしっかり覚えていたんだ。


あれは一体何時頃だったのだろう?早い内に眠っておいて、夜中に沢山カブト虫を取ろうと幼いながらも、はやる気持ちを抑えることが出来ない俺は、早速飛び起きてベッドの横を見たんだ。


だが父大蔵の姿はどこにもない。

{トイレにでも行ったのかな~?}


待てど暮らせど帰って来ない。

半べそ状態の俺は、外に出たんだ。

あの時俺は悲しくなって「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」泣いて管理人のおじさんに父の居場所を聞いたんだ。


「アア…お父さんは今お客さんと商談中だから、ここで待っていようね!」


カブト虫取りがしたくて、わざわざ早く眠って、意欲満々で飛び起きてカブト虫取りに行こうと思ったのに、ガッカリして急に悲しくなった俺は、思いっきり「ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」泣いたんだ。


すると……口止めされていたにも拘らず、俺があまり泣くので管理人さんが「お坊ちゃま、お父様は三階の角部屋三〇一号室にいらっしゃいます」


俺は、{アアアッ…アアアアアアッ………やっと、お父さんとカブト虫取りが出来る!}

そう思い、まだおぼつかない足を、それでも懸命に三〇一号室に向かったんだ。


””カチャカチャッ””とドアを開けようとすると、存外、鍵が開いていて、嬉しくて、嬉しくて、部屋の中に飛び込んだんだ。


すると………リビングには誰もいない………?

「アアァ~」…と唸るような女性の声………すると今度は「シクシク(´;ω;`)ウゥゥ😭」泣く声なのか?


俺は、その声の方向に進んだんだ。

声のする一室の前に来るとドアが僅かばかり開いていたんだ。


子供ながらに感じる異様な空気感{子供の立ち入れない世界とでもいうのか?}

俺は押し黙り中をソ~ッと覗き込んだんだ。


{ギャアアア――――――――ッ!コッコッこれは何だ!お姉さん?おばちゃん?が真っ裸で髪の毛は乱れに乱れ、首を紐でぐるぐる巻きにされて、口から血を出して、横たわっているではないか………?}


{お父さ~ん}と声を掛けようとしたが、あんなに幼かった俺でさえ、異様な空気感に、多分声を掛けられる雰囲気では無かったのだと思う。


あれはデンジャラスな真夏の悪夢だったのだろうか?

子供過ぎて…その時は‥怖かったが?

俺は直ぐに忘れたんだ。



だが…?その惨劇の場所……?そこに父大蔵はいなかった!

……でも誰かが居たんだ?


俺は部屋を出て管理人のおじさんの所に、泣きべそをかきながら行ったんだ。

すると、管理人のおじさんの奥さんが「どうしたの~?」

そして俺をおぶりながら、水の綺麗な河原に連れて行ってくれたんだ。


すると………草の割れ目や雑木林の中一体が満点の銀世界になっなって来たんだ。


「✰星かな~?」と眺めているとキラキラと✰✶。⭐* ✶。

🦋蝶の様に優雅に⋆✰✶。 動き出したんだ 。


「あああぁ~キ レ イ……蛍だ~!」


遠くには電飾の赤や黄色の煌びやかな街並みが輝き。


サファイアブルーの夜空には星屑が散らばり✰✶。⭐

まるで巨大なプラネタリウムに閉じ込められたような*✰ 。⋆。

幻想世界が広がったのだ⋆。🌚。


アア~どれもこれも懐かしい思い出ばかりだが、すっかり忘れていた。

今大人になって考えると、あの異空間で空恐ろしい現実が有ったに違いない!

改めてそう思う雅彦なのだ。











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