信じるか信じないかは、あなた次第です……。

幾筋もの物語の奔流が、やがて物語の終焉で、ひとつの光に変わっていく。
抽象的に表現するならばそんな物語です。

知っている伝説、知らない伝説、説明された伝説、騙された伝説……。
色々な逸話や伝説が作中には出てきて、それらがうまい具合に演出されているのでとても読みごたえがあります。
そして伝説や噂が形作っていく「怪異」。
怪異の話がそれぞれ結びついていって出来る本作の物語。
僕は応援コメントに「迷路みたい」と書きましたが、この物語は本筋の脇に作られたいくつもの道が、やがて各地に繋がり、そしてまた一つに戻っていくような、そんな不思議だけどワクワクする、魅力的な構成になっています。

僕が本作で感じたテーマはひとつ。
何を信じるか、何を信じないか、それはあなた次第。
信じた先に待っているものが何か……は、是非ご自分の目で確かめてみてください。

ホラーとは、そしてそもそもエンターテイメントとしての小説とは、かくあるべきか。そう思えた作品です。
面白かったです! 

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