第25話 ゴミ問題

最初にこの分譲地を見にきた時、敷地の一角に接してゴミ集積所があった。

 当時の担当はまだ問題のMさんで一緒に見に来ていたのだが、夫はそのゴミ集積所が気になって、この土地に少し難色を示した。北西の角にゴミ集積所があったため、図面上で西側にと思っていたお店の入り口を、南側に変更することを提案され、夫もなんとか受け入れた。

 そうして、家が建ち、自治会長に挨拶に行って、ゴミ出しの場所についての話になった。

 分譲地の両端に元々ゴミ集積所があり、そのうちの1つが我が家の裏にある。元々ある2つの集積所も既にまあまあいっぱいな状況で、分譲地が全部埋まると10軒ほどの家が建つことになるため、いずれ、この分譲地用に、もう一つゴミ集積所を増やすという話になっているとのこと。分譲地を整備し売り出すにあたり、ハウスメーカーと自治会とで話し合われ、場所も決まっていて、それが、我が家の敷地の南西の角あたりだという。

 んん?北西の角に1つありますよね? そこが、既に、ゴミがいっぱいで道に溢れ出そうになっているので、そこを分けて南西の角にも作ると決まっているという。我が家の敷地はゴミ集積所とゴミ集積所に挟まれてしまうことになる。

 お店の入り口は、建物の南面にあるが、建物全体の南西の角付近にある。西寄りの南面にお店の入り口の扉と大きな窓がある。一応お店の顔である。我が家の駐車場と細い道を挟んではいるが、店の顔の真ん前にゴミ集積所があることになる。それも、分譲地を売り出す前に決まっていたようである。が、我々は聞いていない。これには、夫がかなり憤った。土地を決める前に両側にゴ集積所があるとわかっていれば、僕はこの土地に決めていない!と夫。ゴミ集積所は必要なものだし、うちの前から無くなっても誰かの家の前になってしまう。家だけならそんなことは言わないのだろうが、お店としての雰囲気をとても大事に大事に考えていた夫だったので、ショックを受けたようである。わたしとしては、ドアの真ん前なら困るけど、駐車場を挟んで少し距離はあるし、しょうがないのかな…と思った。しかし、ゴミを見ながら紅茶飲みたい?と憤る夫。頑張って素敵におしゃれにした店内を楽しんでもらって、満足して帰るお客さんが扉を開けたら、目に入るのがゴミ集積所だよ!と夫。まぁそれは残念だよね。しかも、このあたり、ゴミの種類によっては、朝から出されたゴミが持っていかれるのが昼すぎだったりすることもあるのだ。そうなると、ちょっと嫌かなぁ。でも、どうしたらいいんだろう。ゴールが見えないまま、憤る夫が、何かしらの解決に向けて動きだした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る