第11話 契約と嫌な予感

 とにかく住居部分は空気が快適に保たれれば、他は、機能重視で安くていい。それほどたくさんのこだわりや希望はない。だが、店舗に関しては、お店だなと思える見た目、外から中がよく見えて入りやすい、オシャレ、と希望がたくさんある。

 家づくりの打ち合わせは、決めることがたくさんあって、だんだん投げやりになってくると、よく聞く。

 でも、わたしはそうならない自信があった。あとで後悔をしたくないから。ナマケモノの一大決心で家を建てるのだから、元々頑張り屋さんが家を建てる決意とは、覚悟が違うのです!どんな理屈だ。

 そうして臨んだ打ち合わせですが、徐々に不安と不満が溢れ出るのです。

 住居の間取りを考えている時は、まだウキウキ楽しんでいた。それは打ち合わせがぱったり途絶える前のこと。

 空白後、そこから更に、細かい部分を決めていくなかで、住居部分は比較的すぐに決まっていったが、店舗部分が決まらない。そして、意外とお金が高い。さすがハウスメーカー。最初の希望額からあっという間に500万オーバー。

 そこからも、1回色んなものを諦めても諦めても、打ち合わせが詳細に及ぶ程ジワジワ金額はあがっていく。

 気がつけば、希望額の700万オーバーの額でローンの本申し込みをすることになった。余裕をみて申し込んでおきましょう!上限額より下がる分にはよいので。との優しい口車に乗って…

ああ、恐るべしハウスメーカー。

 大丈夫です、まだ確定ではない金額です、ここから下げていきましょう、まだ変更可です、その優しい詐欺師のような言葉をナマケモノ家族は信じて契約へと進んでしまうのでした。

 

 慎重で、無駄が嫌いなナマケモノは、再三、契約というのは金額が確定してから契約ではないのかと聞いても、これをしないと先に進めなくて、進めないと正確な金額が出ないというのです…

 とはいえざっくりでもと出してもらった金額はローン申請額を超えてるじゃないの…! 

 これは気にしないでください!確定した額じゃないので!とMさん。気にしないでください!って気にしないわけにいかないでしょ!

 正確な額が出ないなら多めに見積もっておいてくださいと再三お願いしていたので、それでの額ならこれ以上は増えないんだと思い、なんとかなるのかなと半信半疑ながら信じることに。

 その一方で、お店の部分の設計がほぼ手付かずで、最初の最初に、こんな感じのお店できますか?の問いに、できます!って言ってたのに、打ち合わせが進むうち、参考の写真のような外観にはできないことがわかってきた。なんてことなの…

 こう書いていると、完全に詐欺の手口じゃないか。大手ハウスメーカーがこんなことするの⁈

本当に家建つ??

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