第12話:剣士散る

 じゃりっ!


 次の門で真っ白なトラ頭の奴が立ち塞がる。


 「まさかここまで来るとはな。だがここから先はこの白虎が通さん!!」


 「ふん、仲間魔導士の犠牲は無駄にはしねえよ! 行くぞ!!」



 そう言って白虎と名乗った次なる四天王に剣士は双方の剣を引き抜き斬りかかる。

 まだ回復しきっていないあたしはその戦いを見守る。



 きんきんっ!



 「ほう、人間にしてはなかなかであるな。名を聞こうか?」


 「ふん、貴様に名乗る名など無いっ!!」


 「ならば名無しのまま死ねっ!」

 


 ぎゃぁんっ!!



 剣士は飛び退いて、白虎が爪で弾いた双剣を大きく背中に振りかぶる。

 


 「これで決める! 奥義、百花繚乱!!」



 ばっと大きく飛び上がり双剣を真横に伸ばす。

 するとあのスカートがひるがえりまるで一輪のどくだみの花が咲いたかのように広がる!



 「ぐおぉおおおぉぉっ! 相手が男でもついついスカートのひるがえりに反応して見てしまうぅっ! ぐわぁ、め、目が腐るぅっ!!」



 「すきありぃっ!」



 ぼふっ!


 はしっ!!




 そして剣士は白虎の頭をその太ももではさんだ!!

 それはあの股間の白い盛り上がった物えんがちょを押し付ける行為!!



 「うわっ、きっつぅ、臭さっ!!」


 「ほうれぇ、ほうれぇ、この純白をその眼に焼き付けるがいい!!」


  

 あたしはその奥義に驚愕きょうがくする。

 何と言うおぞましい技、そして絶対にされたくない技!!


 「すさまじいな、あれでは白虎も持つまい……」


 修道僧も思わずうなる。 



 

 「こいつは俺が押さえる! お前らは先に行けっ!!」




 剣士はそう言ってあたしたちに叫ぶ。


 


 「でもまだ白虎被害者が!」


 「勇者殿、白虎の犠牲を無駄にしてはなりませんぞ! さあ魔王を倒しに行きましょう!!」




 修道僧にそう言われあたしは顔を背けその惨劇地獄を見ない様にその場を離れる。




 ご愁傷様、白虎。

 あれはきついものね……

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る