第4話 盗賊を撃退

 異世界に来てさっそく、盗賊たちに襲われている少女を発見した。

 俺は彼女を助けるため、奴らと対峙する。

 彼らは俺を完全にナメており、俺に襲いかかってきた。

 だが……。


「甘いっ!」


 俺は飛びかかってきた一人の顎に掌底を放つ。


「ぐべぇっ!?」


 男は白目をむいて地面に倒れた。


「こいつ!?」


「強い!?」


 俺は女神様へカンチョーした際に、ステータス模倣の効果を発揮させていたのである。

 対象のステータスに少しずつ近づいていく効果がある。

 1か月間毎日責め続けていたので、俺のステータスは人間としては破格のものになっている。

 魔力や闘気という技術的なことはまだ吸収できていないが、基礎ステータスの暴力によってこの程度の相手なら無双できる。


「怯むなぁあ!! 数ではこちらが勝ってる!! 囲んで一気に畳んじまえっ!」


 今度は四方八方から盗賊が襲ってきた。

 基礎ステータスの高さだけでは、この多人数を相手取るのは少しだけ骨が折れる。

 だが……。


「遅いっ!!」


 俺は向かってくる男たちを次々と沈めた。

 カンチョーによって。


「ぎゃあっ!?」


「うごぉおっ……!」


「ひぃいい……ッ!!」


 俺は次々に襲いかかってくる男どものケツ穴へ指を突き入れ、カンチョーを食らわせていく。

 先ほどの一人目を撃破したのは、基礎ステータスに頼ったただの暴力だ。

 今は、カンチョースキルを使用している。

 このスキルは攻撃や防御に加え、様々な効果を発揮できるのだ。


「なんなんだよっ、あのガキはっ!」


「速すぎて見えねぇっ!」


「逃げろっ!」


 あっと言う間に彼らは戦意を喪失し、逃げ出していった。


「ふう……」


 俺は息をつく。


「す、すごいっ!」


 盗賊に襲われかけていた金髪の少女が、尊敬の眼差しで俺を見つめてきた。


「大丈夫だったか? お嬢さん」


 俺は優しく語りかける。


「は、はい……ありがとうございます! 貴方のお陰で助かりました! 私はアリシアと申します」


 少女はぺこりと頭を下げる。


「俺はカンスケだ。ところで、君はどうしてこんなところに?」


 俺は一番聞きたかったことを尋ねた。


「実は私……。あっ、ああっ! それよりも!!」


 少女が大切なことを思い出したかのように叫ぶ。


「ど、どうか……彼女を助けてくださいっ!!」


 少女が示した先には、一人の女性が倒れていた。

 年の頃は二十代後半くらいだろうか。

 美しい女性だった。

 メイド服を身に纏っている。

 その女性は腹部を押さえながら苦しそうな表情を浮かべている。

 どうやら、盗賊たちに刺されてしまったようだ。

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