16 喜界島 菓子太郎は、偶然、ベムとノーマンの戦いに遭遇し、カローナの修行に参加することになる。

 此処は何処だ。


 あの鏡に吸い込まれて、気が付くと、僕は、其処に居た。


 其処は、反転世界はんてんせかいと言う、元居もといた世界とは違う世界らしい。


 あれから、二年が過ぎるが、未だに摩訶不思議学校まかふしぎがっこうには、辿たどり着けていない。


 はじめに降り立ったのは、



 南の国ククだった。



 ククは海洋国家で、貿易が盛んだった。


 この世界は特異とくいなフョームと言うエネルギーを身に持つ人間しか、来れれないらしい。


 ククの周りの島々で、戦いの経験を積み。


 ククの工房や学校で、此の世界の工学や科学、数学、歴史、地理を一年程度学んだあと、僕は、父親の言っていた、摩訶不思議学校へ行ってみる事にした。


 学校で習った事によると、其の学校に行くには、危険なルートを通る必要があり、生き残れるのは、本のわずかだという。


 其のために僕は、戦いの指南を受けにククの闘技場とうぎじょう師範代しはんだい



 クルル・ロエの元で修行をんだ。


 ロエは、がたいのいい、おっさんの身なりで、筋肉質で鍛え上げられた肉体をしている。


そして、強い。


 顎が広く、目が大きい、そして鼻は高い。


 恐らく、鍛え上げられているためにがっちりしているのだろう。


 目鼻立ちは美形だ。


 「儂の元で修行とは・・・。死にたがりもいた処だ。」


 こうして、僕は、一年の修行を経て、最近、度にでた。


 「くれぐれも気を付けるようにな。始めてきた時は、此処まで強くなるとは思わんかった。今では一番弟子だ、別れが寂しいぞい。」

以外に、情に弱く、涙脆もろい。優しくていい先生だった。


 そして今、僕は、摩訶不思議学校校門前まで来ることが出来たのだが・・・。


 手ごわい敵が多かった。


 あのような巨大な猛獣や、怪物は見た事も戦った事も無かったが、修行の成果もあり、何とか対処出来た。


 フョームの流れを読む。教えられたとおりに、フョームを扱い、技をみがく事も出来た。道中にまた強くなれた。


 「此処が、摩訶不思議学校かあ・・・。」


 その時、後方でものすごい音がした。


 閃光が走り、爆音が轟いた。


 「何だ。一体。」


 不審に思った僕は、見てしまった。凄まじい戦いを・・・。


 これじゃあまるで、兵器だ。


 そして戦争だ。




 其処に居たのは、ノーマンと闘うベムだった。




 「一体誰なんだ。此の力、僕の力じゃ、見えない。早すぎる。そして、此の威力一体、何者なんだ。」


 しかし、次の瞬間、煙の中から現れたのは、身体中が丸焦まるこげの灰とかした、男だった。


 絶句した。


 其の壮絶な死にざまに。


 周りでは鳴き声が聞こえた。


 「此れが強敵との死闘なのか・・・。」


 そして、彼等は、スペースボールにより、異空間に消えた。


 僕は、其の後を付けていた。

 

 なんて、凄い修行なのだろう。


 僕は、其れを見ていた。


 仲間の死をばねに、死ぬ気で頑張る、のを見ていた。


 「おい。私が気が付いていないとでも思ったか?。」


 話掛けられた。


 「何の用だ?。」


 「僕は、喜界島きかいじま 菓子太郎かしたろうといいます。道中で壮絶そうぜつな戦いを目撃し、其の最期さいごを見届けた者です。気になって勝手についてきました、申し訳ございません。」


 「ほう。なるほど。観たところ。結構なフョーム操作を持っているようだな。身体からフョームが全く漏れて居ない。」


 フョームの操作が上手い奴は、自分の力を悟られないように、フョームを隠している。


 「此れだけの、隠密行動おんみつこうどうに気が付くとは、恐れ入ります。」


 「おっと、もうすぐ、画レ虚の奴が、コツを掴んできたかな。」


 「ちょっと、御願いが或るのだが・・・。」


 「何でしょう??。」


 「此奴の目が覚めて、躱せたら、此奴の相手してやってくれねーか。あたしゃ、バルマっていう、此処で座禅してる、男の相手に忙しくってね。」


 「ああ、初対面の者をそんなに信用していいのですか?。私は、敵かも知れませぬよ。」


 「お前の事は知ってんだ。ロエの処で修行してた仮面のやつだろ。

 そうか。この人は、ロエさんの知り合いなのか・・・。


 「お前の修行にもなるよ。画レ虚は、強くなるからな。いい相手になるさ。」

 

 「其れで、菓子太郎、画レ虚との、修行はどうだった。」


 菓子太郎は言った。

「最初は、僕の圧勝あっしょうで、相手に成りませんでした。しかし、最終日には、僕と同等か・・。或いはそれ以上の実力を持っていました。」


 「其れが画レ虚の潜在能力せんざいのうりょくさ。ただ、未だ其の本の一部に過ぎない。此奴は、化けるぞ。」


 そうだ。画レ虚は急激に強くなっていった。最初とは比べ物にならないほどに。


 「だが、バルマには負けるだろうな。バルマは、フョームの使い方が成っていなかっただけで、単純な、体術や、剣術、能力の使い方じゃ、此の世界でも、トップクラスだからな。」


 「其れでは、摩訶不思議学校に行きますかーーーー。」


 「おー。」

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