ホンダ・N-VAN(初代)

 自転車を買った際に借りた代車で、10キロくらいしか走ってないですが。私が初めて運転したホンダ車、そして初めて運転した軽自動車です。


まずは基本的なスペックを。


パワートレイン:0.66L、直3NA

馬力・トルク:53ps/6800rpm、6.5kg・m(64N・m)/4800rpm

駆動方式:FF

トランスミッション:CVT

サイズ・重量:3395×1475×1945 mm 、940kg

最小回転半径:4.6m

燃費:19.2km/L(WLTCモード)


 最初に断っておきますと、私はこの時、基本的には1.5L車(初代のシエンタ)以外をほとんど運転することが無く、それと比べての印象になります。そして、今もN-VAN以外の軽自動車を運転したことがほとんどありませんので、同じクラスの車種と比較することが出来ません。これを踏まえた上でお付き合い頂ければ、と思います。


 さて、このクルマに関してですが、その魅力は何と言っても積載性と取り回しを両立させたことでしょう。軽自動車ですし、箱形で車両感覚はかなり掴みやすい形状のクルマなので取り回しに苦労するということはまず無いと思います。それでいて積載性は軽と言えど大したもので、ママチャリなんか余裕で積み込めてしまいます。倒せば助手席までフルフラットになる広大な荷室など、商用車としてのパッケージングもかなり考えられているな、と感じました。その分リアも含めてシートは簡素な作りだな、という印象を受けましたが、そもそも商用車に立派なシートは必要ありませんからね。快適に座りたいというならNBOXを選べば良いと思います。ただし、私が少し不満に思ったのは、運転席のシートの上下が出来ないことと、ハンドルのチルト機構とテレスコピック機構が無かったこと。低グレード車に設定が無かっただけかもしれませんが、個人的には結構キツかったです。腕に合わせてシートを合わせると足がインパネやハンドルに当たるし、足に合わせるとハンドルが遠いしで、個人的に好きなドライビングポジションで運転出来ませんでした。乗用車ライクな着座位置ですから「ボンネットが無くて違和感が……」みたいなことは無かったのですが、着座姿勢が取りにくくてあまり良い印象ではなかったです。


 さて、走ってみての感想を。まず好感だったのは、取り回しの良さと死角の少なさ。さすが軽バン! と感じました。家の周りの細い道だって苦労せずに入っていけたし、ピラーが立っているので死角も少なくて。

 ですが、走ってみると結構厳しいな、と感じる部分も。まず、NAだとどうしてもパワー・トルク不足だな、と。とにかく重さを感じました。私が軽に乗ったことが無いのでそう感じるのかもしれませんが、いつもよりアクセルを踏んでいるつもりでも流れに乗るのが結構しんどいと感じました。元々車重もある車種ですし、乗るならターボじゃないと厳しいかな、というのが正直なところです。あまり幹線道路や高速道路を使わないのであれば、NAでも問題無いのかもしれませんが。また、ハイト系の軽自動車なのでしょうがないと思いますがコーナーでの姿勢変化は大きめで、個人的には怖いと思ってしまうくらいのハンドリングでした。(まあ、パワーも含め基本的に比較対象がシエンタになっているので、この手の車にしては弱点と言える程ではないのかもしれません)。あと、横風の影響はめちゃめちゃ受けます。ハイト系の宿命ですね。


 という訳で、申し訳ないですが全体的な印象は個人的にはそんなに良くは無かったです。が、背格好によってもシートポジションは変わるので中には気にならない方も居るでしょうし、ターボであればここまで非力だとは感じないと思います。そこを割り切って考える事が出来るのであれば、とても魅力的なクルマだと思います。取り回しは良いし、カタログ燃費も悪くなく、乗っていれば乗用車ライクなのに積載性も兼ね備えた軽。商用車と乗用車のちょうど中間、みたいなイメージの車種なんじゃないかなと思います。

 正直、もうあまり乗りたくはないかなぁ、と思えてしまったのですが(ホンダさんごめんなさい)、もう少しゆっくり乗れれば、また印象が変わったのかなぁ? また、今はマイナーチェンジをした後のモデルが出ていますので、改善された部分もあるかもしれません。趣味として、相棒として、道具として使うクルマだと考えると、なかなか面白そうな存在だと思いますし、このタイプでバンに仕立てたというのも独創的。レジャーなんかに使うことが多い人には、なかなか有力な候補になる一台だと思います。

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