第25話 まぁ休みなんやし遊ぼうや

「ねぇ兄ちゃん、今の時期ってどこで遊ぶのがベストだと思う?」


「えー、この時期なぁ。まぁお前もデート的な感覚で行くんだろうけ」


ドスッ


「痛えよそんな殴ってくんなって〜。わりぃわりぃ。」


「いっつもそうやってからかってきて…。ちょっと話すると、勉強会ずっと景一の横に入れてすっごく幸せだったのよ。だけど気合い入りすぎて5回くらいシャー芯折っちゃった。」


「ひゃーー!おもろい話ありがとさん。我が妹がまさか恋をするなんか思ってもなかったからなぁ。女っけもなく、胸もなく…。兄ちゃん嬉しいぞ?」


「うっさい、なぐるよ。別に気にしてないけど…もう、いいじゃんか…恋くらい。」


「まぁまぁその話はその話として、本題。何人くらいで遊ぶんだ?」


「5人だね。新しい友達が増えたんだよ。」


「そうかそうか〜そうなら、まぁ子供心忘れずにってことで、広い公園とかどうかな?」


「ここらへんにあったっけ。」


「ない。よし違う案。天パとかどうだ?てんとう虫パーク。」


「天パ…?兄ちゃんじゃん。」


「いやまぁそうなんだけど、っておい!誰が『発情期ですかーこの野郎』だよ!」


「やっぱリスペクトなんだ…。まぁボクも銀さん好きだからいいんだけど、兄ちゃんが好きっていうことでもないから勘違いしないでよね。」


「まぁブラコンな我が愛する妹の話はさておき、違う案もだそう。ズバリ、素直にゲーセン!」


「あーそれはありだね。みんなも音ゲーやってるし。」


「天パはまた今度にして、ゲーセンありじゃな。」


「おけい、兄ちゃん。ナイス案ありがとう。」


「おうよ。」


____________


俺は誰かからの電話の着信に起こされた。


昼12時をまわってた。昨日は勉強会楽しかったからなんか逆に寝れてなかった。

とりあえず電話の主を確認する。


「伊織…か、なんかあったんか?」


伊織から電話してくるのは結構珍しい。とりあえずとってみる。


「あい、もしもーし。ふわぁ〜、ねむい。」


「景一、寝てたでしょ。っていうのはおいといて、みんなでゲーセンいこうよ!」


「あぁ、昨日のメンツで?ええな。今日か?」


「うん!もうみんなには連絡済みだよ。賛成だってさ。」


「おけい、場所と時間教えてくれぇ。」


「1時に景一の家前。」


「おけい、1時ね…って、俺の家の前かよ!」


「ごめん、いいところが見つからなくて。」


「ま全然ええけど。わかた。高速で用意して出るわ、飯も食って。」


「了解。じゃあね〜。」


「はいよ〜。」


電話を切った後に時刻を見ると、12時半だった。飯食う時間ほぼないやんけ。


_____________


「っしゃーーー!!ギリ間に合ったやろ。」


「ギリッギリだねぇ。」


「じゃいこうか!景一!」


「ACは久しぶりだなぁ…。」


「わたし音ゲー全般できるよー!楽しもう!」


「では一斉にー?」


『しゅっぱーーーつ!!!!!!』


__________


「おいおい、レムおるやんけ!!!!ァァァァァァァァ。」


さきほど到着し、物色している様子。


「景一、こっちにはキスキル・リラ…!」


「ここにいたらキリがないねー?お金マジヤバだからー、先音ゲーゾーンいかなーい?」


「私もあんまり今日もってきてない…持ってきたらよかった。」


「俺はたんまりあるぜぃ!はははは!!」


「俺もあんでー!最悪貸すか奢る。」


「ボクもあんまりだなぁ…。」


「まぁまぁそんな気下がるかと言わんと、まず太鼓しよーや。」


『おけ。』


_________


『ないすスマイル全良ぅぅぅぅ!!!!』


筐体がいい感じに3台あったから、横並びに5人。5人同時全良は気持ち良すぎる。

1クレ1曲目はヤバい。


「てかお前ら3人うますぎ笑笑。」


「逆にスマイルだけしかできねぇぜ!」


「有名だからね…ずっと練習してた。」


「わたしは全般いい感じにやってるからねー。」


左から、俺、伊織、麦野、鍵塚、釘本。


なんやかんや500円くらい注ぎ込んだところで、


「マイマイやるかぁ。俺と、たしか伊織は苦手やったはず。釘本と鍵塚はうまいんやってな?」


「おう!俺はずっとやってたからなぁ。」


「私も、小学校の頃から少しずつやってた。」


「んじゃ、やるかー!」


_________


「あ!『the EmpErroR』知ってる!ほぼ最難関曲のやつやん!…え?AP…。」


「これはいかれてるねぇ…。」


『へへん!どうだ!』


「そんなハモらなくてもー、ウケるー笑笑。」


「まぁボク達も練習するか。」


「これみたら燃えるな。」


__________


「チュウニはねー?わたし1番得意よ!」


「私も…マスターの最難関まではいかないけどそこそこは。」


「俺マイマイしかできねぇーー!!!!」


「いやー俺らもできんわな。でも前ちょっとやって俺らギガンティックのエキスパフルコンしたもんな。」


「そうだねー、難しかったけど。なかなか楽しかったなぁあれは。」


「そういえばみんな、『混沌を超えし我らが神聖なる調律主を讃えよ』って知ってるー?」


「最難関曲だよね、確か。」


「そら有名やからな。」


「あれはほんと無理だよ…。」


「知らねぇな!はっはっは!!」


「AJしちゃった!」


『は!?!?!?』


「そんなにヤバいのか…その…曲は。」


「えぐいどころちゃうぞこんなん!」


「腕ムッキムキでもしんどそうなあれを…!」


「アレを…AJとは…。恐るべし、ガチ勢。」


「いやわたしエンジョイしてるからエンジョイ勢だよー!勘違いしないでよね!」


「なんかツンデレキャラみたいやな。」


__________


えー、結局財布がほぼ雲みたいになるまで遊びましたね。え?マジで盗まれたんちゃうか?クラスの軽さ。ゲーセンにゃ恐るべし。

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