第23話 中間テストの日程

「おいちょっとまてい宮野ぉお!」


「なんだい?そろそろ急がないとほんとやばい。」


「あとで人狼グルLINEで作っといてや!」


「オオケイ、任せろ。てか僕らライン交換してなかったね!パパッと済ませよう!」


「せやな!おけ。」


___________


「…おっけい、いけたいけた。あとで作っといてや〜。」


「ほーい、って、次は勝つからな…!」


「はいはい、わかりやしたよ。じゃあね。」



___________次の日


「えー、みなさん。みなさんにとって誠に"喜び難い真実"を告げたいと思います。」


「担任どうした?結婚でもしたんか?」


「おい松崎、もう俺は結婚してんだ。残念だったな。」


『ええええ!?!?!?』


「いやいや、それを告げにきたわけじゃない。中間試験の話だ。日程が決まった。」


『ええええ!?!?!?』


「え、中間の話と俺の結婚同等の驚愕度かよ。まぁそんな話はさておき、発表する。今から2週間後の5月10日から12日にかけて、だ。」


「おいおいマジで急だな。」


「全く勉強してねー!」


「マジでヤバい!忘れてた。」


いろいろな声が飛び交う中、担任は告げる。


「でもお前ら、休みあるだろ。ゴールデンウィーク。まぁ頑張れ。高校入ってからでも気は抜くな、痛い目見るぞ。じゃ課題渡すから、ゴールデンウィーク後の日に提出な。勉強しとけよ。」


「先生!教科ってなんなんですか?」


「とりあえず今回は5教科で許してやろう。」


「え、なんでそんな上からなの…。」


「まぁ今回は安心しろ、まだテストはやさしくしてやる。だがそれでも難しい。心して挑むように。では。」


担任が教室を出て行ったのでホームルームは終了、したがクラス内は騒然。


「伊織…どうしたものか…!やべぇってまじ!」


「本当にやばいね、こりゃ。遊んでる暇なんかもうないじゃないか!」


「ゴールデンウィーク、お前と遊ぶことしか、考えてなかった…!笑笑。」


「そ…そうなの…嬉しいな。」


「まぁ、勉強日設けるか。な、一緒にやろうぜ!」


「う…うん、もちろん!」


「おーい釘本ぉ〜、鍵塚〜。ゴールデンウィークいつの日か勉強会開こうぜ〜。」


「いいなそれは!賛成だ!」


「あんま乗り気じゃないけど…まあいいわよ。」


「麦野は?どうだ。」


「まぁ私予定パンパンだけどー、空いてる日はあるわよー?」


「んじゃ、これで決まりやな。てかお前らとライン交換してへんかったな。今やるか。」


「そうだね!景一!」


「う…わかったよ。ま、まぁ、伊織くん…もね?」


「いいよー!友達は多い方がいいよね!」


「ボクとも、よろしくね。」


「もちろんだ!友よ!」


__________


「とはいってもよ…そろそろヤベェぜ。」


「そうだね、本格的に決めようか、勉強会。」


「俺はいつでもええで。」


「ボクも…予定っていう予定はないね。」


「俺もいつでもいいぜ!」


「私も…いつでも。」


「私ー、5月の2日から4日空いてるよー?」


「んじゃ、その間で決めるか。俺が独断でいくぜ?じゃあその3日間!」


『えっっ…???』


俺以外のみんなが凍りついた。


「景一、3日間も勉強地獄かい?」


「ちげぇよ、1日、2日くらいは勉強して、残り遊んじゃったらええやんってことや!」


「それいいねー!賛成さんせーい!」


「うん、それは面白そうだ!」


「む…いいよ、もう。暇だったし。」


「じゃ、詳しいのはまた言うわ!それでいこう!」


『おう!!!!!!』


___________そんなこんなで5月1日


「ァァァァァァァァ!!!!」


「にいについに壊れちゃったね。」


「ホンマ、ぼくのお兄としてはずか」


「しくねぇよぉぉぉぉ!!!!バカしんでぇんやって!お前ら見ろこの課題の多さと勉強を!」


「にいに、絵実なーんもないから関係なーいよーだ。」


「ぼくもないもーん。へへへ。」


「お前ら揃いに揃って清々しい顔しやがってぇ!ァァァァァァァァ!」


「せやにいに、友達できたん?」


「あぁ、あれからまぁできたな。結構、多分。」


「へー…。ふぅーん…。嘘つけ。」


「うっそだぁ。」


「え、なんで俺んちには俺を肯定してくれるやつおらんの。え悲し。お前ら何も買ってあげへんぞコラ。」


「にいにだーいすき!すきすきー!…クソが。」


「むぅ…。」


「まぁまぁ、嘘やって。またお前らに紹介したるわ、多分。」


「ありがと!…って、なにその不確定事項。」


「ぼくもみてみたいなー。友達とやらを。」


「え、なんかこわ。」


_________一方伊織の家では


「うぅぅぅううぅぅ…早く遊びたいなぁ…早く会いたいなぁ…。」


「ほんと、家ではデレデレなのによ。景一もかわいそうやぞ。まぁでもある意味幸せ者なんやろうな。」


「そんなに好きなら、もう告っちゃえばいいのに、ね?お父さん。」


「娘を他人に預けるのは少々不安だが、まぁ…景一くんなら…守ってくれるよ、絶対。」


「てか伊織お前強いだろ、いけるよ。」


「まぁ鍛え上げてきてるもんね。これまで。」


「そうだよ、大丈夫だよボクなら。でもそれとこれはちがーーう!!!」


「君たちは乙女心ってものを知らないのー!もう、不意に景一がカッコよく見えたりして、苦労してんだからね?」


「はいはい、わかったわかったわ。愛だけは確かなのね。私みたいに、一途なのね。」


「そんなこというな…恥ずかしくなってきやがる。」


「うっへー!親同士でイチャイチャしやがって。さすがだな。そしてしまいには1人で悶々してるやつもいるし…俺の居場所ねぇじゃん。」


「兄ちゃんに嫁さんができる確率なんて、0に等しいじゃん。バーカ。」


「うっせえ!今から作るんや!ゴラァ!ヘタレな伊織と違ってな!」


「んじゃ勝負な、兄ちゃん。物理的に。」


「はぁ?…っていいわ、かかってこいやぁ!!!!」


「おらぁぁぁぁ!!!!」


ドスッ


「グハッ…腹パンそんなお前強かったんだな…けどまだまだぁ!!!」


「いくぞー!!!」


「はぁ…ほんと、子どもたちって元気ねぇ。でも、私たちも昔、元気だったわね。何回やったことかしら、ね?」


「うるせぇ…忘れたぜそんなん。」


____________ゴールデンウィーク、突入

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