第22話 第一回人狼大会

「えー、皆さんお集まりいただき誠にありがとうございます。今から、第一回人狼大会を開催したいと思います。皆さん、目の前にある手札で、役職のご確認をお願いいたします。あ、申し遅れました。ワタクシ今回のGMの、木村と申します。何卒よろしくお願いいたします。」


4月某日、昼休み、一年四組にて開催。

メンバーは主に俺と宮野が募った。


俺サイドは伊織、釘本、鍵塚、そしてちょっとギャルっぽい金髪ショート女子、麦野司である。

宮野サイドは森田将成(男)、雷場瞳(女)、水原喜沙奈(女)、大飼友也(男)である、計10人構成。


GMは釘本の親友、木村良平(男)。


みんな最初誘ったとかは驚いた反応してたけど、快く承諾してくれたから嬉しかった。

案外みんなノリノリで、これからが楽しみになってくきたぜ。


「確認はお済みでしょうか。役職は村人4人、霊媒師1人、占い師1人、狂人1人、狩人1人、

人狼2人となっております。それでは参りましょう。」


全員に緊張が走る。


「ゲーム、スタートです。」


_________1日目


GM「皆さん、目を伏せてください。これからワタクシが言う役職の方だけ、目を開けてくださいね。」


GM「それではまず、占い師さん…。目を開けてください。そして誰を占うか、指差しでお願いします。」


……


GM「ありがとうございます。伏せてください。では人狼の方々、目を開けて下さい。」


…………______



GM「役職持ちの方々は全て把握いたしました。ではこれより、1日目の昼、議論を開始してください。」


伊織「始まったねぇ〜。」


景一「いやーワクワクしてきたわー!!」


鍵塚「こういうの、久しぶりにやる。私の出番、頑張るぞ。」


森田「そうだ、占い師COしとこうや。」


『はーーーい!!!!!』


景一「…っと、2人か。」


水原「私占い師でーーす!宮野のこと占いましたー!」


釘本「いやいや水原くん!俺が本当の占い師だ!俺も宮野のことを占った。」


麦野「結果はどうだったのー?」


『宮野は白!』


宮野「てことは僕はもう白確なんだな。」


伊織「まぁ狂人っていう線もありえるけど、とりあえず白確でおいていていいんじゃないかな。」


森田「じゃあ宮野がここは仕切ろうか。」


鍵塚「宮野くん、とりあえず現時点では白確だから、占いCOの2人と君を除いた7人で怪しいと思う人を言ってくれないかな。」


釘本「んーそうだなぁ…まだあんまりわかってねぇからなぁ…。」


水原「確定枠が一つしかなかったからね。1日目は仕方ない。」


大飼「1日目は様子見するしかないよな。」


宮野「あ…雷場全然喋ってないじゃないか。もしかして…?」


雷場「違うよ!なにとなく…緊張してんだよ…私のこと察してよカスボケ!ってのは嘘で、全然入るとこなかったんだよね。」


宮野「うーん、じゃ投票は思い思いの人に入れよう。そして狩人は、どちらかの占い、もしくは僕を守ったほうがいい。それで人狼たちの素性を暴く。」


釘本「そうだな!それがいちばんいい!」


_____


GM「時間がやってまいりました。それでは皆さん指差しで、投票を願います。では一斉に、せーの!」


指差しが一斉に行われた______


大飼「俺が…3票で処刑か。まぁ1日目はしゃーない。」


宮野「大飼ぃぃぃい!まあ仕方ない犠牲だよ。でも大飼が人狼だったら悔やまれる。」


水原「1番考えたくない線だね。まぁとにかく、夜のターンだね次は。」


GM「1日目は大飼さんが処刑されました。ちなみにですが、死んだ方々には発言権はありません。では夜にまいりたいと思います。みなさん、目を伏せて下さい。」


GM「では狩人の方目を開けてください。そして今夜守る人を選んでください。」



GM「目を伏せて下さい。では占い師さん、目を開けて下さい。」


……


と狩人、占い師、霊媒師、人狼とターンを終了させて。


GM「1日目すべての工程を終了させました。では襲撃された方は…宮野さんです。」


鍵塚「そうか…白確殺しか…なるほど。へへ。」


GM「では2日目の昼にまいります。では、議論を始めて下さい。」


_________2日目


伊織「白確が殺されてるのか…これは確実勝ちしようとしてるのかな。」


森田「でもそうだったらよ、絞り込まれて終わりだぜ?」


水原「確かに、人狼くんたちは随時暴かれていくよね。このまま動きがないんじゃ。」


麦野「そうだね!ところでだけど、まだ狩人くんは、出なくてイイよねー!うんうん。」


鍵塚「そうだね。ここで出てしまったら殺されちゃう。」


森田「とりあえず大飼の白黒つけといたぜ。まぁ俺が霊媒だ。大飼は白だった。」


景一「てことはこの8人のなかに2人…残ってるんか。完封負けだけは避けたい。」


雷場「とりま占い結果だけ聞いとこうよ。」


釘本「俺、伊織くんを占った!黒だったよ!」


水原「私も伊織くんを占って、黒だったよー!」


伊織「てことは絶対ボクは黒になるんだね。」


景一「そうやな、このターンは伊織を殺さんとな。」


雷場「いいねいいね、白側一歩リードよ!」


森田「よし、じゃとりあえず霊媒の俺が仕切ろう。もしこの中に狩人がいるなら俺を守ったほうがいい。占い師を無理矢理庇う必要はない。だってもうどっちかが黒なんだし、どっちか死んだらもうわかってしまうからな。まぁでも、占い師どっちかが狂人なら話変わってくるけどな。」


森田「占い師に下手に人狼側は手ださねぇたろうよ。占い師にバけた狂人だったっていう線、ありえちゃうからね。そうだし、一方の占い師殺しちゃうと人狼が混ざっていたら、4日目には絶対バレる。」


鍵塚「うん、そうだね。まぁ私たちグレーたちは何にも言うことないよ。」


麦野「りょ…そうだね!うんうん!」


景一「じゃGM、よろしく。」


____________


GM「では時間です。皆さん指差しでお願いします。一斉に、せーの!」


________


伊織「ま、そうだよね。仕方ないよ。」


GM「2日目は伊織さんが処刑されました。では夜にまいりたいと思いますので、皆さん目を伏せて下さい。」


……______


GM「2日目全ての工程を終了させました。では襲撃された方は…麦野さんです。」


麦野「ひゃーー!わたしかぁ…。」


GM「では3日目の昼にまいります。それでは議論を始めて下さい。」


________3日目


森田「そっかぁ麦野か…でも麦野はまだあまりわかってなかったよなぁ。」


景一「次は外回りからの襲撃か。」


釘本「俺の占い結果が出た。景一、白だ。」


水原「COしまーす!実は私、狂人でーす!」


鍵塚「なんと…そうだったのね。」


釘本「いや、人狼かもという線も見落とすな。」


雷場「でもこれで釘本が本物の占い師ってことがわかったわね。」


釘本「そうだ、俺が本物だ!がしかし、次占うのは誰にしようか。もし本当に水原が狂人だったら、この2人のうちのどっちかになる。だから俺はどうすべきか…。」


森田「鍵塚と雷場が役職わかんねぇんだよなぁ。それさえわかれば俺らのもんよ!」


雷場「そうね、それさえはっきりしたらね。私たちの潔白が証明できる。」


鍵塚「わ…わたし久々にやるから、頭まわんないよぉ…。この役職。」


水原「もうこれ以上の情報がないわけだから、私を狙うってのもアリだとは思うよ?黒陣営の人ごめんよ。狂人って言っちゃったしね。」


釘本「がしかし…水原の言うことを信用すると痛い目を見そうだ…どうすれば…。」


森田「ひらめいた。狩人だ。狩人さえこの時点で出てこなければ白側の役職は全て割り出せて、かつここにはいないことになる。ということは水原が狂人だという線は薄くなるんじゃないか。」


釘本「薄くなる、というより、鍵塚と雷場の役職の有無がはっきりする。」


森田「そうだな、じゃでてこい!狩人!」



景一「そうか…てことは水原、鍵塚、雷場の誰かなんやな。」


鍵塚「じゃ投票はどうするの?」


釘本「これは賭けるしかねぇ、雷場、お前だ!」


雷場「唐突だねぇ。本当に私でいいのかい?少年。」


釘本「どちらにしろ、勝ちのプランがある。」


雷場「…わかった。私を処刑しなさい。ウフフ。」


森田「うーん、雷場マジこういうとき読めねぇからな。わかんねぇ。」


____________


GM「では時間です。皆さん指差しでお願いします。では一斉に、せーの!」


_____


雷場「死んじゃったぁ。アハハ。」


景一「雷場、実はサイコパス…?」


GM「3日目は雷場さんが処刑されました。では夜にまいりたいと思います。それでは皆さん目を伏せて下さい。」


……________


GM「3日目全ての工程を終了させました。今夜襲撃されたのは…森田さんです。」


GM「では4日目の昼にまいります。では議論を始めて下さい。」


_________4日目


景一「ここまで来たらもう賭けしかないわな。」


鍵塚「そうだよ、ニブイチであたるもんね。ニブイチで、勝負が決まる。」


水原「そうだね。頼んだよ、白確定のお二人さん。でも私はさっきCOしたから人狼ではないよ。」


景一「あっ!そういえば鍵塚、私の出番…とか言ってたよな。それって狂人とか人狼やったからか?」


鍵塚「う…。」


鍵塚「じゃあ君たちに。」


水原「私たちを君たちに。」


『託したよ』


___________


GM「では時間です。指差しで投票をお願いします。では一斉に、せーの!」


_______


GM「処刑されたのは…。」



『水原さんです。』



GM「この時点で、人狼が全員いなくなりましたので、この試合、白陣営の勝利です。」


『っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』


俺たち白陣営側は一斉に叫んだ。


伊織「いやー惜しかったねぇ。絞り込まれてたからなぁもう。」


水原「うーーん悪あがきしたんだけどなぁ。」


釘本「てか狂人は一体…?」


宮野「僕だよ!人狼に殺されたよぅ!」


水原「いやーそれは大失態だったわぁ。ほぼ白確からつぶそう計画が仇となったのかぁ。」


伊織「それは痛かったなぁ。まぁ楽しかったからいいさ。」


麦野「おいおい、狩人どうした…?って、私なんだけどねー!ヒャハ!」


大飼「マジか…これ、みる方もめっちゃ面白いぜ。ちなみに俺は村人。やることなかったぜ。」


雷場「最後いい死に様決めたと思ってなんか気持ちよかったよ笑笑。」


鍵塚「みんな私を信じてくれたのね…うれしい。」


木村「まとめると、景一さん、鍵塚さん、雷場さん、大飼さんは村人。伊織さん、水原さんは人狼。釘本くんは占い師。麦野さんは狩人。宮野さんは狂人。森田さんは霊媒師。という結果です。」


景一「まぁ結局は勘やったな、あれは。でもちょっとは怪しいとは思ってた、水原のこと。だって3日目で急に狂人COって、なんか不自然。やから俺は、あえてそういうことで候補を3人に増やして逃れようとしたのかなと。」


森田「いやでも雷場も鍵塚も読めねぇ。なんか人狼サイドに立とうとしてたか?お前ら。」


雷場「ちょっと狂人めいたことして、楽しもうかなと。」


鍵塚「久々の人狼だったから、ちょっと勢い余って…賭けてもらいたかった。」


麦野「襲撃一切守れなかったぜ!私たち!」


宮野「やってんねぇ〜。」


景一「次やるとき、役職一個減らすか。なんかそっちの方が良さそう。」


宮野「じゃあ霊媒師と狩人無くして、妖狐いれよう。」


麦野「なかなかにあり。」


木村「次回も、GM務めたいと思います。人狼は苦手なので。」


釘本「オオケイありがとう!あ、次いつするか決めようじゃないか!」


大飼「中間テスト後…ってのはどうだ。みんな予定空くだろそこは。」


雷場「賛成!てかもうすぐ中間あるじゃん忘れてたよ!」


水原「サイコパス…磨き上げてきます。」


鍵塚「いいね。私も勉強してくる、人狼。」


森田「俺も、推理力もっと磨いてくるわ。」


伊織「次やる時は負けないからね?笑笑。」


宮野「ってか、昼休みもうおわるじゃん!」


景一「お前らはよ帰って次の授業の準備してこーーい!!!」


『じゃあーね!!』



こうして第一回人狼大会は幕を閉じた。

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