第17話 時間すぎるのはっや

「ていうか景一、地理と公民はしなくていいの?」


「ふふん、好きな分野だけしときゃええさ。」


「っ…てことは、捨て…?」


「そうさ!特に日本地理とか資料読み取り問題とかもう賭けやろ!」


俺には覚悟がある。


「公民は…。」


「前に教科書熟読したり問題解いたりしたから多分いける。」


「地理…どうすんだよ…。」


「出ないことを祈る。」


「よし、やろっか。」


「ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


「ボクんちで発狂すな笑笑、まぁとりあえず休憩は休憩だよね。休もう。」


「せやな、あっそうそう、ちょいと雑談するで。あのさ、あれ全良してる?あのーあれ、そう、あれ。」


出てこーへんかった。なんやっけ。


「あてるわ。えーっと、んー、あ、ボクハシンセなら20回くらいかけて全良したよ。」


「ちげぇ、あっ!思い出した、双竜ノ乱

や!」


「ああ、なぜか知らないけどブルー達人予想にいるやつね。アレは全良…してるね。」


「ホンマか?なんか怪しいな。」


「いやいやほんと。最近だったような。そう!1ヶ月前にしたんだよ。」


「ほうほう…。」


「だからまぁ今作はしっかり頑張りたいよね、達人。」


「俺もそうやな。今作は金とらななぁ。」


_______さぁ宴もたけなわですが20分後


「あっ…と、気づいたら時間だね。よし地理を始めよう。」


「マジかよぉぉぉぉエグいてぇぇぇ!!」


「最悪公民は捨てる。勉強してたみたいだし。だから残すは地理のみ。いくよ!」


「俺の叫びも虚しく…か…グハッ」


ホンマに嫌ホンマに嫌ァァァァァ!!!

地理だけはマジ勘弁してくれよぉぉぉ!


さぁ、嘆いていても仕方ない。もう…正面から来い!


_________2時間後


「ビッチリシゴかれたぜ…もう死ぬ…。」


「よし…これくらいならもう大丈夫。これで自信持てるくらいの勉強ができたはず。」


「もう、地理はゴリゴリぜよ…あかんて。」


「ボクも疲れたよ…もう休憩なしじゃ無理だよ…。」


「あかん、なんか眠なってきた…。」


「え…まじ…ボクも眠く…なって…」


「あー…」


それを発するのを最後に、俺たちは眠りについてしまった。


__________


「ハッ!!!おい、今何時や…えぇ!8時半やと…!?」


「知らないうちに…そんな時間が…!」


と、慌てふためいていると、下から、


「おーい、お母さんたち帰ってきたよー。」


オーマイガー。


「マ…母さんが帰ってきた!」


「ほう…んじゃ俺は早く帰らないとなんかわけわからんことなりそう。」


「なんで8時まで友達がおるねーん!ってなってしまうね。」


「じゃ俺は早く身支度して帰らんと…あ、妹から連絡きとる。〔いつ帰ってくる?〕ってさ。」


「ラインの音さえ気づかなかったくらいまぁまぁ深めの睡眠とってたんだね、ボクら。」


これは緊急事態。家族にまで心配されてる。

たしかに8時で連絡なしはさすがに心配される。


「よし!俺出るわ!」


「おけい。」


「マジでありがとうな!ホンマ楽しかったし、勉強できたわ。」


「うんこちらこそ!ってかボクも玄関まで送っていくよ。」


「あざす!」


そして俺たちが伊織の部屋を出ようして、ドアを開けたとき、


「いーくんー…あぁ!この方があの噂の友達?あらあらいらっしゃい!」


お母様なるラスボスが俺らを出迎えてしまう。


「あっ…初めまして。どうも松崎景一と申します。」


なんか…既視感すっごいある気がする顔…。

まぁ気のせいやろな。そういうのって大体。


「ささ、むs…ゴホン、伊織から聞いてるわ!とりあえずリビング来ちゃって!会えて嬉しいわ!」


「あ、僕もこちらこそ嬉しい限りです。」


「ママ…なにしてくれてるのよ…(ボソッ」


「よし、なんかわからんけど伊織も行こう。俺1人じゃ心細いぜ。」


「う…うん。ついていくよ。」


________


(ママーー!!完全に娘って言いかけたよね!!!ほんと危ないからね!やめて!一回家族にも話したよね!?!?伊織で統一してっていったよねぇ!?)


本当に手先が震えている。危機一髪。

心臓の音も鮮明にわかる。冷や汗も出てる。


(なんかママ、景一が来てること知ってたみたいな口ぶり…兄ちゃんが言ったのかな。)


でもとにかく、あの人はなにを言い出すかわからないからこっから気を引き締めていかないと。ママちょっと抜けてる人だからね。危ない、ほんと。


_________


「じゃあまぁ私が言うのもおかしなことなんだけど、もう泊まっていかない?景一くん。」


『えっ??』


思わず言ってしまった。そんな突然な。


「ん??もう一度お願いしても?」


「うん、だからもうこの時間だし、もう泊まっていきなよ!景一くん!!」


「マジ…ですか…。突然ですね。でも僕が早く帰らなかったのは申し訳ないです。」


「あら、私は全然いいのに。ね!伊織!」


「う…うん…。いい…よ。」


「ほら!伊織も言ってるみたいだし。私たちは全然大丈夫よ?」


「じゃあ…僕もお言葉に…甘えて!ありがとうございます!」


「うんうん、いいよ。ただ親御さんだけには連絡してあげてね。心配するだろうからね。着替えは…そりゃないか、じゃあ景助のものでよかったら。」


「いやいやそんな…申し訳ないですよ。」


流石に人のものに俺のハイパーエクスカリバーキャノン砲をつけるわけにはいかないぜ。


「そこまでいうなら…ちょっと景助?いらないパンツある??」


「うーーん!!こちとらまぁまぁあるぜ。よく洗濯したものだから大丈夫だぜ。」


「うん、じゃあそれか新品でも買ってこようか?」


「いやいや…もうおっしゃる通りにいたします。」


「伊織も、大賛成だもんね!"友達"、すごく自慢してたもんね!」


「ちょっと母さん!それ言っちゃあ…」


「うふふ、かわいいこと。じゃあ私たちも色々と準備するから、まぁお風呂で体を癒しといてね。景助ー?お風呂のスイッチ押しといてー?」


「ほーい、りょうかーい。」


「じゃあ私は晩御飯作るから、あとは2人でごゆっくり〜。」


と、お母さんは準備をしにいった。

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