第36話 「わりと逃げ道はない。肥前ロンズの描く妖怪たちのように」

本日のピックアップ1作

「「誰そ彼」と君に問ふ。──蟲と女神と女王と」 肥前ロンズ



★★★

物語の中には。

途中で、豹変するものがあります。

書き手が意図して、計算しぬいてガラッとステージを変えてくる場合は

読み手も腹をくくらねばなりません。


今の「誰そ彼」は、そうゆう場所にあります。



北部九州に拠点を置く退治屋組織【黄昏堂】福岡支部。

そこに所属する八蝶(やちよ)が主人公です。

第一話の「鏡」は、明るくポップ?なギャグバトルホラー(笑)。

男女の境もこえているような八蝶(やちよ)のキャラにひかれ

どんどん読む。


第二話に入る。「川姫」。

ここで読み手は考えねばならない。

肥前ロンズは。

どこへ私たちを連れていこうとしているのか。

それを知るには読むしかないが。


こわいんです。問答無用に、怖い。

水ぎわ、今回は先にレビューを書いていまして。

載せますね。



『振り返っちゃダメだ。 どっちみちもう戻れないの、読む前のアナタには



妖怪ってかわいい。

ギャグバトルホラーって面白い💛

ほらほら。どんどん読めちゃうでしょ。

だって、おもしろいんだもん。


でね。

ふと気づいたら。

おや。ここはどこだ?

肥前ロンズは、読み手をどこに連れてゆこうとしている??


ただのアクションホラーじゃない。

ただのコメディ長編じゃない。

もっと深くて暗くて、人の皮膚の裏側をガリガリするような怖さが

にじんできます。


第一話と第二話。ぜひ続けてお読みください。

肥前ロンズの力量が あなたを異界へ連れてゆきます。

振り返っちゃダメですよ。


どっちみちもう。

もどれないの、読む前には。』



ああああ、こわいーーー。

この恐怖は、いわれのない攻撃・目に見えない打撃を受けたことのある人なら

共感できると思う。

根拠のない悪意は

無意識のうちに放たれる。

それも、無差別に。


貴方が何ひとつ悪いことをしていなくても

身に覚えのない責めを受けることがあります。

肥前ロンズはさまざまな伝承を駆使して、八方ふさがりの恐怖を描いてみせる。

この世は、弱いもの・優しいものが生きにくくなっている。

それを証明してみせるのが、妖怪であり、憑き物なのです。



ひょっとするとね。

パンダが生きているうちに、この世からずるい人は消えないのかもしれない。


自分だけが正しいと、大声で叫ぶ人が

自分だけが被害者だと、言い張る人が

自分に都合が悪い意見を、ためらいもなく排除できる人が

この世から消えることはないのかもしれないです。


でもいつか。

人は自分がやってきたことを突きつけられます。

その瞬間、恥じぬ人でありたいと、パンダはそう思います。



って。

すげえカッコよく決めようと思っていたら。

なぜだ。

なぜ何度も「おパンダ」と変換されるのだ(笑)


かっちょわりいよ(笑)。


さて。明日は小さなネンネタをお送りしましょうか。

今回は予約投稿しておりまして、リアルな1/9の20時は

パンダ、のたうち回っているはず(笑)。

ええ、新作を書く時は、毎回こうなんです。短編であっても同じこと。

もう禿げるかと思う(笑) 禿げるか太るか、二択だ。

わりと、逃げ道はない。肥前ロンズの描く妖怪たちのように。


よし、まとまった(笑)

では。今宵もゆるっとお休みください。


おパンダより、愛をこめて――そうか、キーボード配列のPの隣に、Oがあるからダメなんだな(笑)

今更気づいても。

おそいぞ、おパンダ(笑)。


「「誰そ彼」と君に問ふ。──蟲と女神と女王と」 肥前ロンズさま(★済 レビュー済)

https://kakuyomu.jp/works/16816700429210899166

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