戦場の魔王

　超光速航法を確立した人類が太陽系外に進出して二百年余り。

　幾つもの星系を勢力下に治め、人類は"ミルヒシュトラーセ銀河連邦"を名乗り版図を拡大していた。

　そして人類は、地球とは発祥を異にする勢力、"汎銀河星系同盟"と衝突する事になる。

　主戦場はあくまで宇宙空間での戦闘艦による艦隊戦ではあるが、その戦闘艦の修理補給拠点確保の為、最寄り星系の地球型惑星に侵攻する必要があった。

　そこで連邦軍は機械化装甲服、マシーネン・リュストゥングで強化された歩兵部隊を組織した。

　これは、機械化装甲歩兵の新型機実戦評価運用試験を担う部隊に於いて、その戦い振りの凄まじさから"魔王"と呼ばれた男の、その記録である。