会議② side 第三者

ルークが寝た後、時間の空いたリーガルト家の面々はルークがきてから2回目となる会議を開いていた。アルフレッドは前回のヴィンセント同様、声の通る水晶での参加だ。


ライ「さて、ルークの様子について、ヴィーとアルから話してくれるか?」


ヴィー「まずは僕から。ルークは本が好きみたいです。昨日書庫へ行ったとき、目を輝かせながら集中して読んでました。それから、僕たちのことに興味をもってくれていました。取り敢えず僕たちの仕事とか立場のことを教えました。」


アル「魔法を使うことも好きらしい。訓練場に連れていったときに楽しそうにしてた。今は疲れたみたいで眠っちゃったけど。」


クリス「本好きならお爺様と気が合いそうね。」


アンジェ「魔法の適正は?」


アル「ありまくりだよ。全属性に魔力量は国王陛下よりも多い。加えて制御も完璧にこなしてる。」


アルフレッドの言葉に室内にいた全員が目を見張る。


マリア「とても危険ですわね。ルークはなんと?」


アル「表向きは水属性と光属性にしてたって。公の場ではその2つ以外使わないようにしてたらしい。ちなみに、副属性も全部使えるみたいだよ。しかも、上級魔法まで精密に。」


ライ「本人が隠しているうちは大丈夫だろうが……。私たちも気をつけるようにしようか。あの子は気配に聡いところがあるし、動きにも無駄が少ない。剣を握ったこともありそうだ。ルークがもっと元気になったらその他の適正も調べないと。」


クリス「それが一番ですね。今のルークの容態は?」


エド「ちゃんと回復してきてるよ。痣とかも減ってきたし、このままいけばあと数日で薬を飲むことも無くなるだろう。言葉がたどたどしいのは本人の問題だから何とも言えないけど、恐らくすぐに普通に話せるようになるよ。」


ライ「そういえば昨日、レオ達が来そうだがそれは?」


ヴィー「僕が一緒に対応しました。ヤーグス家とルークの関係性を聞かれましたが、特に問題もなかったので大丈夫でしたよ。」


ライ「ならよかったが、、何か分かったか?」


ヴィー「ルーク曰く、ヤーグス家は人体実験や人身売買など、いろいろとやっていたそうです。人体実験に至っては、ルークが直接受けていたと。」


「「「「「は?」」」」」


ヴィー「証拠を聞かれたときにそう言っていました。ついでに、獣人の姿になっていましたよ。ルークは魔力から見て半魔族です。片割れは何か分かりませんが獣人ならば獣人特有の紋様が左手にある筈なので有り得ません。」


ライ「何の獣人になったか分かるか?」


ヴィー「妖狐です。」


「「「「「え?」」」」」


クリス「本当に妖狐なの?」


ヴィー「間違いありません。虹彩の瞳でしたし、九尾でしたから。」


アンジェ「妖狐と狐って何が違うのですか?」


ライ「狐は普通の獣人と変わらない。しかし妖狐は、獣人とは違い妖魔族に部類される。妖魔族は希少種で滅多に会えないんだ。美しい容姿に精錬された魔力、それが妖魔族の主な特徴。妖魔族一人で国一つ滅ぼせるとも言われてる。まさかルークがそれとはな、、本人は?」


ヴィー「妖魔族のことを知らないようでした。それと、妖狐になったときに少し悲しそうにしていたので、何かあると思います。」


ライ「ふむ。それはまた後で聞くとしようか。大まかなことも分かったし、ヤーグス家の対応も出来そうだ。今回の会議はここまででいいだろう。」


ラインハルトの言葉で締められ、リーガルト家の会議は幕を閉じた。

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