ヴィー兄様と…… ③書庫

朝食を食べ終わり食堂をでて、ヴィー兄様のお部屋へ行く。エマリアさんとレオナルドさんは確認のために一度帰ったみたいだ。


「さて、ルーク。何かやりたいことはある?」


「??」


「何でもいいよ。」


これ言わなきゃいけないやつだ。ヴィー兄様から優しい圧を感じる。やりたいこと、、やりたいこと、、、


「えっと、本?読み、たい。」


「じゃあ、書庫に移動しようか。家の書庫はとっても広いんだよ。先代であるお爺様が読書家でね。この国で最も大きい書庫って言われてるの。」


それは楽しみだな。本は昔から好きだ。沢山のことを知れるし、何よりとても面白い。わくわくしながら2人で書庫に向かった。




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「ここが書庫だよ。」


驚いた。2階があって、地下まである。そこら中に本棚があってその中には所狭しと本が並んでいる。書庫特有の本の香りとかもしてきて、凄く落ち着く。


「ふふ。目がキラキラしてる。ここは何時でもきていいし、どの本でも自由に読んでいいからね。取り敢えず、数冊選んで机に行こうか。椅子に座って読んだほうがいいから。」


僕は何度も頷いて近くにあった本棚から適当に数冊選び、ヴィー兄様について行く。本はジャンル問わず何でも読める。

机に着くと早速本を開いて読み始める。書庫の静かな空気も相まって、すぐに本の世界にのめり込み始めた。



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side ヴィンセント


ルークは本を開いてものの数分で本の世界に入り始めた。集中力が高く、読むスピードも速いようで、あっという間に1冊目を読み終わりそうだ。

僕も読書は嫌いではないけど、流石にここまではいかない。ルークは本当に本が好きみたいだ。お爺様が知ったらきっと溺愛されるだろう。想像に難くない。



エマとレオが来た時は驚いた。2人ともお父様と仲が良いみたいなので交流はある。少しは時間の融通がきくからとても助かった。ルーク自身は気付いてないようだったが、あの時、ルークの手は震えていた。最低限のことは話したし、後のことはルークが人慣れした頃のほうがいいだろう。恐らく長くなるし、場合によっては国王陛下への謁見もありうる。

そう考えながら、僕も本を開いて読み始めた。

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