第6話 事情聴取

 異世界の幼女。これは熱い。現実世界では法令や倫理観に止められて手を出せないが、異世界なら状況さえ整えれば手を出せるのが王道だ。しかも赤ん坊、自分大好きに育て上げれる。懸念点があるとすればその前に目の前の女悪魔騎士に殺されてしまうかもしれない事だろうか? それを抜きにしてもイエスロリータノータッチの精神で生きていく所存ではありますが。それに流石に赤子に興奮するのは異常なので自重している。


「話ヲシヨウ。コッチニイマノ所、危害ヲ加エル気ハナイ」

「…………いいでしょう。こちらからも聞きたいことがあるのですが、それについて聞いても?」

「内容ニヨル。知ラナイコトハ話セナイ」

「構いません」


 交渉が成立するとサザナミの上に赤ん坊をのせ、彼女にあやしておいてもらう。丁度、学がありそうで話せる異世界の住人が欲しかったところだ、彼女はぴったりと言えるだろう。


「非礼ノ侘ビダ、質問ハソチラカラドウゾ」

「………あなた方は何ですか?」

「俺の種族は【ゾンビ】。こいつは【スライム】の【サザナミ】」

「……ゾンビ、ですか」

「次ハ俺カラ、俺ノ様ナ知性ノアル【ゾンビ】ヲ知ッテイル、マタハソウ言ッタ文献トカ記録ニ目ヲ通シタコトハアルカ?」

「…………記憶にある限りはない。知性のある魔物は子供位の知能しかないと聞いている。今度はこちらからだな、お前の目的は?」

「特ニナイ。…………強イテ言ウナラ、今ハアンタト話シタイ」


 完全にナンパのセリフだが、俺にそんな気はない。情報収集のための口実だ、他意はない。だからそんな視線を向けないでサザナミさんや。というか、言葉を理解できるのね。気のせいか、赤さんにも同じ視線を向けられている気がする。

 女悪魔騎士のシューリカさんは困惑している様だ。暫く考えて、口を開く。


「それは嬉しいが、質問を続けるか?」

「…………コノ辺ノ地理ニツイテ教エテ」

「この辺は大規模に森が続いている、加えて凶暴な猪型の魔物やゴブリンの巣窟になっている。だいぶあるが、ここから東に進めば街に出られるがお前の種族を考えるとやめた方が良いぞ」

「…………マダ何カアル?」

「いや、もういい」

「ソウカ。サザナミ、返シテヤレ」


 シューリカさんが質問を打ち切ったのでサザナミに赤ん坊を返させる。サザナミが赤ん坊を彼女に返すと彼女は頭を下げた後に森の奥に消えていく。森の奥には何もないと思っていたが彼女が向かうのならば何かあるのかもしれない。


(一先ず、街の付近までに森を進んで周回しながら奥の方に進んでいくか)


 サザナミを回収すると、方針を決めて森を東に進んでいく。日は登っている様だが、森の木々が火を隠してくれている、木漏れ日に気を付けて進もう。


❖  ❖  ❖


 不思議なゾンビにあったとシューリカは考えている。記録上にも載らなかったであろう特異な存在だ。そう言った魔物は世界を滅ぼすともいわれているが、あれが何をするのかはよく分からない。討伐した方が良かったのだろうが今の自分では狩れない事は分かっており、彼女は自分の身の程を理解していた。


「お嬢様、大丈夫ですからね。私がいますから、安心してください」

「だあぁう」


 安心させるようにあやすと無邪気な笑みを赤子は浮べる。

 彼女はこの森の最奥にあるという、はぐれモノの里へと向かっている。そこであれば忌み子のこの子も安心して育てる環境である筈だ。今は亡き主人の子を抱え彼女は警戒を高めて森を進む。

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