第3話「サガンパーV作戦始動」③

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうエスカンパニー内。第3話「サガンパーV作戦始動」②11月28日。時間は11時30分頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。


エスカンパニー事務所内。“│ゆう"、"涼子りょうこ"は応接用のソファーに、"志織しおり"、"叶恵かなえ"は各々のデスクの椅子に座っている…。>


ゆう:「"涼子りょうこ"ちゃん、それじゃあ、どこから始めましょうか?」


涼子りょうこ:「そうですね!まずはどんな車両を販売するのかコンセプト作りからですよね!これ、"緒妻おつま"社長から預かっていた本です。」


<"涼子りょうこ"、ドン!という音と同時に、応接テーブルの上に大量の"キャンピングカーに関する"専門雑誌"を置く。>


志織しおり:「何なんですか!この本の量は!」


ゆう:「"キャンピングカー"と"キッチンカー"に関するありとあらゆる本を取り寄せて、"涼子りょうこ"ちゃんに渡していたのよ!大体、"キッチンカー"は"保健所"の絡みがあるからDIYしてる人は余りいないけど、"キャンピングカー"の大半はDIYで自作している人がほとんど…。勿論、本職の人が作っている"キャンピングカー"もあるわよ!でも、やっぱり庶民の手には届かない位、高いのよね~♪」


叶恵かなえ:「で、姉さんはどう考えてるんですか?」


ゆう:「どうもこうも、外で、あなた達に言った通りよ!"キッチンカー"と"キャンピングカー"のに広めるの…。正直の素人の手で作り上げるのも悪くはない!でも長い拘束時間こうそくじかんと莫大な労力がかかるわ。それに素人だから、耐久性をはじめとした機能性も怪しいもの…。だからと言って本職の人に頼んで本職の方が作れば、高価な物になる…。」


叶恵かなえ:「まあ、確かにそうですね!」


ゆう:「それを少しでも変えたいのよ!誰もが気軽に買える金額で、更には本職の手によるちゃんとした乗れる"キャンピングカー"と"キッチンカー"が作りたいの!」


涼子りょうこ:「それが"緒妻おつま"社長が構想した"ブイ作戦"!」


志織しおり:「では、その社長がいう"デメリット部分"を解決できるって事ですか?」


ゆう:「そうよ!出来るから、ここに今、"涼子りょうこ"ちゃんいる…。」


志織しおり:「"母"も関係あるんですよね?」


ゆう:「そうよ!"志織しおり"ちゃん、何かおかしい?」


志織しおり:「いえ…。"実家"と余り関係ないような気がして…。」


ゆう:「まあね…。普通はそう考えるわね!家庭用の電気と自動車などの電気は、同じように見えて同じじゃないからね!でも、それだから"ADKえーでぃーけー"の力がいるのよ!」


叶恵かなえ:「姉さん、"専門的"過ぎて私にはよく分からないんだけど…。」


ゆう:「"志織しおり"ちゃんも実家の家業だから少しは分かると思うけど、確かに”叶恵かなえ”は分からないわね…。車の電気は"直流"。これに対して一般家庭で使われているのは"交流"なのよ!"直流"は電流や電圧が変化しない電気の流れ方をいうの。そして"交流"は"直流"と違い電気の向きや電圧が常に変化してる…。だから、"直流"では"交流"の一般家電品は使えない。確かに車の"直流"を"交流"に変換する"コンバーター"という機械もあるけど、それにも限界があるの…。」


叶恵かなえ:「まあ、何となくわかりました。でも"バッテリー"を沢山詰め込んだら問題解決なんじゃないんですか?」


ゆう:「それが厄介なのよ!多くの家電は凄く電力を使うの…車のバッテリーでは補えない位。だから、まあ、この本の受け売りだけど、車の電力は車から…キャンピング用品やキッチンカーの電力は"外部電力"という形になるわね!それに実際、そんなにバッテリーを詰め込んだら、車重が重くなって、車の"最大積載さいだいせきさいりょう"を簡単に超えてしまう…。ただ、"バッテリーの塊"みたいな"EV車(または電気自動車)"はちょっと違うけどね…。」


志織しおり:「だから"ADKえーでぃーけー"も関係あるんですね?」


ゆう:「そう、どうしても”外部電力”では補えない車両に掛かる電気系統の部分を解決するのが"ADKえーでぃーけー"の"電装技術でんそうぎじゅつ"よ!私が…まあ…独学だけど勉強して分かったことは、"キッチンカー"や"キャンピングカー"を作るには1人の専門家では難しいということだった…。まず、車を"キッチンカー"にする為に必要な"設計士"が必要!そして、車には"法律"に定められた"最大積載さいだいせきさいりょう"があるから、それをクリアしないといけない…。それならと頑丈に壊れないような材料を使うと、もう完全に"最大積載さいだいせきさいりょう"を超えてしまう…。だから以下に軽量にして耐久性に優れた材料を知る人が必要!それが"建材屋けんざいや"さん。そして、その材料を付かって実際に車をキャンピングカーやキッチンカーに"架装工事かそうこうじ"ができる職人さんが必要!"大工さん"と"溶接などを扱う溶接工"の人ね、これが2人…。あとは外装を作る"板金屋"さん、そして、空調や電化製品は絶対に必要だから"電気設備屋"さん、更には"塗装屋"さんも…。(※しばらく間をあける)兎に角、沢山の人の"専門家"が揃わないといけなかったって訳!」


叶恵かなえ:「姉さん、それが、その…揃ったと…。その専門家達が!」


ゆう:「(※お茶らけて)は~い♪無事に揃いました!まあ、大半は"塚原社長つかはらしゃちょう"をはじめとしたコネクションのお陰なんだけどね♪そして、ここにいる"涼子りょうこ"ちゃんこそ、この"ブイ作戦"の1番の"かなめ"である"設計士"なのよ!"設計士"の方も沢山いるけど…。それは"住宅"の設計だったりするの…。車やバイクは正しく未知の世界…。でも、"涼子りょうこ"ちゃんは違う!情熱!若さ!車とバイクにも精通している!正しく"キャンピングカー"を作る為に生まれてきたといっても過言ではないわ!」


涼子りょうこ:「(※恥ずかしそうに)お、“緒妻おつま”社長…それは言い過ぎじゃですか!と、兎に角、ウチがこの"ブイ作戦"の全ての設計を任されることに!この話を聞いて、嬉し!職人の世界での評価は経験の長さと匠の技術が全て!、ウチは技術なら熟練の職人さん達にも負けとらんと思うばってん、若いから経験不足だってバカに!でも、この"ブイ作戦"は違う!ウチがこの業界の先駆者せんくしゃになる!」


叶恵かなえ:「(※心配そうに)"涼子りょうこ"、それでも良いんですか!」


涼子りょうこ:「(※力強く)!この佐賀で!最高の"キャンピングカー"や"キッチンカー"作り続ける!それに…“緒妻おつま”社長もいってくれた!"バイク"で"ソロキャン"する女子も最近は多かし、"バイク用"の"トレーラー"や"サイドカー2も作ってって♪仕事で出来ると!好きなお金も貰え嬉しか事は!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る