第3話「サガンパーV作戦始動」②

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうエスカンパニー内。第3話「サガンパーV作戦始動」①の後日11月28日。時間は11時頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。


<時計を見る“│ゆう"。事務所から外へ向かい歩き出す。>


志織しおり:「社長、誰か今日、お客さんが見えられるんですか?」


ゆう:「そう、今から来るわよ!"ブイ作戦"の要となる人物が!」


志織しおり:「そんな大層な人物が来られるんですか?」


叶恵かなえ「(※ハハハハ…と苦笑い。)“志織しおり”先輩、そんな大層な人物が、この"エス"カンパニーに来る訳ないじゃないですか…。どうせ、身内か知ってる人ですよ!」


<ブオオオオオオオオンという大型バイクのマフラーから出る爆音が"エス"カンパニーに近づいてくる音が聞こえる。“ゆう”の後に続いて、"志織しおり"と"叶恵かなえ"も事務所から社外の駐車場へ…>


志織しおり:「あっ!"涼子りょうこ"さんだ!」


<ブオオオオオオオオンと大型バイクが"エス"カンパニー駐車場の前でエンジンを停止し全身作業着を着た黒いフルフェイスヘルメットの人物がバイクから下りる。>


叶恵かなえ:「大型バイクに颯爽さっそうと乗る"涼子りょうこ"さんの姿は、やっぱりカッコいいわね!」


ゆう:「(※楽しそうに)ねえ…。"叶恵かなえ"、私は!私!ほら、私は?颯爽さっそうと、まるで“お面ライダー”みたいに見えるでしょう!」


叶恵かなえ:「(※冷めた口調で)あ…姉さんのは、あれは"近所迷惑きんじょめいわく製造せいぞう"マシンですね!」


ゆう:「(※少々怒気をこめて)しっ…失礼な!あの"へーリーデベビッドソン"が誇る私の鉄の愛馬を"近所迷惑きんじょめいわく製造せいぞう"マシンと罵るとは…。それに"涼子りょうこ"ちゃんバイクも、同じ位煩いじゃない♪」


叶恵かなえ:「いやいや…。"涼子りょうこ"さんのは常識的なバイクの音ですよ!姉さんのは別名"白い雷神"”ですか?そのままじゃないですか!雷のような爆音!なんですか!あの”なんちゃら&なんとか”っていうブランドのマフラーやら”なんちゃら3”とかいう装置をつけてるんでしょう?」


ゆう:「なんちゃら&なんとじゃなく、VANCEバンス & HINESハインズ!”なんちゃら3”ではなくて"FP3えふぴーすりー"!」


叶恵かなえ:「まあ、そんな”なんちゃら&なんとか”はもういいですよ!ほら、"涼子りょうこ"さんが降りてきましたよ!」


<"涼子りょうこ"、バイクのエンジンを止め、フルフェイスのヘルメットを脱いで、そそくさと“ゆう”に近づく>


涼子りょうこ:「“緒妻おつま”社長~♪遂に手にですね!早速、見にきたですよ!」


ゆう:「(※自慢げに)じゃじゃじゃじゃーん♪これよ!これが"免罪符めんざいふ"”よ!」


<自慢げに"自動車商"と書かれたプレートをパンツのポケットから出す"ゆう">


涼子りょうこ:「(※興奮しながら)マジで~!、バイクも売り買いですね!」


ゆう:「そうよ!私の"ブイ作戦"も"涼子りょうこ"ちゃんの考えている構想もこれで実現できる!」


涼子りょうこ:「(※楽しそうに)こりゃあ楽しみに!」


<2人の興奮しながら話す様子を冷ややかにみる1"志織しおり"と"叶恵かなえ">


志織しおり:「社長…、その"自動車商"のプレートをいつも持参してるんだ…。」


叶恵かなえ:「先輩の方が私より"社長"の事はしってるんじゃあないんですか?」


志織しおり:「"叶恵かなえ"ちゃんの方が妹だから、私より知ってるんじゃないの…」


叶恵かなえ:「……。」


志織しおり:「(※申し訳なさそうに)何か、気に障ることを言ったかな?ゴメンね"叶恵かなえ"ちゃん…。」


叶恵かなえ:「(※妙に冷静な声で)社長…。"ゆう"おねえちゃんですが…私は良く分からないです。」


志織しおり:「ど、どういう事…。」


叶恵かなえ:「(※言葉に悩みながら)そうですね…。まあ、色々とですね…。ただ、つかみどころがない人物なのは確かでしょう?」


志織しおり:「(※納得したように笑う)ははははは…確かにそれはそうだね…。」


<"│亮子りょうこ"への自慢話が終わった"ゆう"が2人の話の間に割り込んでくる。>


ゆう:「何を話してるの?」


叶恵かなえ:「姉さん、社長の事ですよ!」


ゆう:「そ、そう!勿論、良い噂よね!なにせ、警察署の"風評調査"もクリアしたくらいに我ながら"純真無垢"だから…。」


志織しおり:「(※少し呆れながら)社長…それは自分でいうと痛いですよ!その言葉は"│珠花しゅか"ちゃんみたいな子に使う言葉ですよ」


ゆう:「し、"志織しおり"ちゃんまで…失礼な!」


叶恵かなえ:「(※冷めた口調で)36歳…3人の子持ち…自称は主婦だけど…エスカンパニーなるキャラクター商品を開発する怪しい会社の社長…そして、おまけに最近、"自動車商"の免許をとって、また何かしようとしてる…人物にしかみえませんよ!姉さん!」


ゆう:「(※少し怒気を込めて)"叶恵かなえ"!最近は社長とも言わなくなったわね!業務時間は”社長”。時間外は"ゆうお姉様"という約束してたじゃない!」


叶恵かなえ:「(※冗談笑いでプププッ…。)"お姉様"という約束はしてませんよ!社長!」


志織しおり:「で、涼子さんは、この"自動車商"のプレートを見に来たわけではないんですよね!」


涼子りょうこ:「ウチは今日は、それこそ"ブイ作戦"の話をよ!」


志織しおり:「で、で、ましたね…。噂の"ブイ作戦"」


涼子りょうこ:「"志織しおり"もやろ?」


志織しおり:「知ってるもなにも、"キッチンカー"と"キャンピングカーを作る新事業とまでは聞きました。そして、何故か私の母まで1枚噛んでいるという話まで…。」


涼子りょうこ:「"志織しおり"のお母さん?"緒妻おつま"社長、誰です?」


ゆう:「誰も何も"│さかえ"社長よ!」


涼子りょうこ:「(※少し驚いて)さ、"│さかえ"社長!"志織しおり"は”│さかえ”社長の娘さんやったとね!苗字も確かに同じばいね!そいぎ、あのや~らしか妹さんもか?」


志織しおり:「"│理名りな"の事ですか!そうですよ!」


涼子りょうこ:「わ~世の中、狭かですね!」


ゆう:「狭いというか、私の仲のいい知り合いをだけを集めて始めるから、必然的にそうなるわね!」


涼子りょうこ:「相変わらずの"策士"ぶりばいね!"│緒妻おつま"社長は!」


ゆう:「"策士"というより”アホ”とよく言われるけど…それは置いといて、"ブイ作戦"始動後、初の記念すべき会議を始めましょうか!"涼子りょうこ"ちゃん、まずは事務所へ行きましょう!」

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