第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」③

※場所は佐賀県武雄市朝日町たけおしあさひちょうエスカンパニー社員寮アサヒメゾン前。第2話「忙しなく過ぎ去る日々…」②の後。2019年9月10日。時間は午前10時頃(※)内は演出指示です。<>はセリフ以外の演出ほかシュチュエーションです。★は出来ればお願い項目。傍点は佐賀弁。


<まだ改修工事中のアサヒメゾンにADKエーディーケーの軽バンで到着する志織しおり理名りな


おばちゃん:「志織しおりちゃん!理名りなちゃんも…。お帰りなさい!」


志織しおり:「おばさん、ありがとうございます。まさか、こんなに早く帰れるとは思いもよりませんでした。」


おばちゃん:「いや、あの子…"村下 涼子むらした りょうこ"ちゃんが凄いのなんのって!あれやこれやの手際の良さ!家業とはいえ、建築屋さんの仕事を本格的に始めたのはまだ数年って言うじゃない。あれは才能!」


志織しおり:「今、その涼子りょうこさんはどちらに?」


おばちゃん:「何かね…。志織しおりちゃんの部屋のお隣さんが水害で空き家になったでしょ?でも、直ぐに入居者が決まったらしくて…。今は志織しおりちゃんの隣の部屋をリフォーム中!中にいると思うよ!」


志織しおり:「あ、ありがとうございます。と、とりあえずお礼の挨拶をしてきます。理名りなは?」


理名りな:「私は涼子りょうこさんの作業の邪魔になるだろうから、荷物を運びつつ…お姉ちゃんの美しく生まれ変わった部屋を人足おさきに堪能してきま~す♪」


志織しおり:「り、理名りな!」


理名りな:「(※お茶らけながら)ほら、涼子りょうこさんに見習って、引っ越し作業も手際よくしないとね!」


志織しおり:「(※仕方なさそうに)わ、分かった。理名りな、お願いします。」


理名りな:「了解しました♪」


志織しおり、自分の部屋の隣の部屋で改修工事をしている涼子りょうこのところへ…。隣の部屋の中では電動丸鋸でんどうまるのこで材木を裁断している涼子りょうこ…>


志織しおり:「あ、あの…。涼子りょうこさん?」


<ブィィィィィン…という電動丸鋸でんどうまるのこの音と装着したイヤーマフで志織しおりの声に気づかない涼子りょうこ…。再び、今度は大きな声で涼子りょうこの名前を呼ぶ志織しおり


志織しおり:「(※大きな声で)りょ、涼子さーん!」


志織しおりの声に気づく涼子…。電動丸鋸でんどうまるのこの電源を止める。>


涼子りょうこ:「うん…。だ、誰?」


粉塵予防ふんじんよぼうのゴーグルを外して、装着したイヤーマフを外し志織しおりの姿を確認する涼子…。>


涼子りょうこ:「お、おー!志織しおり、久しぶり!まあ、久しぶりでも…(※ヘヘヘ…と笑う)。あーっ!今日やったね!部屋に戻ってくる日は!」


志織しおり:「涼子りょうこさん、本当にありがとうございました!」


涼子りょうこ:「か!これがウチの仕事!気にすることは!」


志織しおり:「で、でも…。」


涼子りょうこ:「まあ、いいや…。その言葉はありがたく受け取っとく…。」


志織しおり:「すいません…。」


涼子りょうこ:「そこも謝るとこじゃ!新しい物ばとやろ!早ようと?」


志織しおり:「今、理名りなが…。"妹"が先に荷物を部屋に入れてくれてます。」


涼子りょうこ:「そうね!"妹"さんか!この前も"妹さん"ね!」


「(※恥ずかしそうに、ハハハハと笑い、涼子りょうこさん、そういえば、この部屋、もう入居予定者がいるんですか?」


涼子りょうこ:「あれ?それも知らんやったと?そいこそ、"緒妻おつま"社長の"妹"さんが引っ越しして!」


志織しおり:「え、えっ?"社長"に妹…いたんですか?」


涼子りょうこ:「志織しおり…。エスカンパニーの人間なんやろう?社長の事何も?」


志織しおり:「い、いや…。"妹"さんがいるとは初耳です。」


涼子りょうこ:「1人は今まで外国に住ん!もう1人は、あの"鹿島かしまのお店"に今は住んでるとか聞いてたけどね?」


志織しおり:「2人もいるんですか!?外国は兎も角…。"鹿島かしま"って…"前線カフェ"ですよね?」


涼子りょうこ:「そうそう、その"前線カフェ"!あの蒼羽あおばさんが"店長"?」


"鹿島かしま:「涼子りょうこさん、"専務"もご存じなんですか?」


涼子りょうこ:「知ってるもなにも、あの蒼羽あおばさんは、この辺じゃ"武闘派ぶとうはトランぺッター"で有名な人物だよ!地元の中・高校生の演奏指導、嬉野市うれしのし管弦楽団かんげんがくだんの団長とかもしてるそうだし…。ウチの親戚も全員、吹奏楽してる子は、お世話になってるよ!それにエスカンパニーでは定期的に九州に営業に来てる演歌歌手の公演事業も。そのイベントなんかで、いちゃもんつける客に扮したチンピラを見かけると、先ずは理由を聞くまでは良いけど…。"お前らの言ってる事はスジが通っとらん"と言って、大概、ぶん殴るわ!蹴り飛ばすわ!ぶん回すわ!の大乱闘騒ぎを起こす(※ギャハハハと大笑い)!知らんのが逆におかしいよ!」


志織しおり:「せ、"専務"…。そうなんですね…。それも知りませんでした…。」


涼子りょうこ:「何となくだけど、志織しおりは、"災難"に巻き込まれないタイプの人だよね!今回の豪雨が"災難"ではあったけど…。それ以外は…。」


志織しおり:「そ、そうかも…そうかも知れないです…。そういう出来事に巻き込まれたことはないですね…(ハハハ…と苦笑い)。」


涼子:「私の事は良いから。先ずは、とりあえず、"妹"ちゃんのところに行ってあげたら…。この部屋も1週間あれば奇麗になるよ!社長さんの"妹"さん達にも直ぐにあえるんじゃない?」


志織しおり:「はあ…、社長の"妹"さんですか…。誰だろう…。あのお店の中で働いてるバイトの子の誰かかな…?あとで"理名りな"に聞いて見ます。」


涼子りょうこ:「しばらくは、隣の部屋で作業してるから煩いかも知れないけど…。我慢してくれれば助かる…。」


志織しおり:「いえいえ、大丈夫ですよ。ありがとうございます。涼子りょうこさん!」


涼子りょうこ:「!また!」


志織しおり涼子りょうこが改修工事をしている隣の部屋から、理名りなが荷物運びをしているであろう自分の部屋へ足を向けて歩き出す。>

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