第16話 ナライとワンコ モナカはおまけ

 親は一晩泊まると銀河が送って行った。こちらの世界の記憶は無くなってしまう。

「モナカ、一緒に帰ればいいのに」

「お姉様をお護りしたいの。私って必要な人間だと思うでしょ」

 確かに、モナカはある種の才能はズバ抜けている。立ち直りの早さは誰にも真似出来ない。


「ナライったら、銀河をわたくしにとられたって泣いたらしいわね」

魂は洗っても魂の元になる核は変わらない。核とは基本の性格や性質だ。あたしは一生モナカにからかわれるネタを提供してしまった。


「言わない約束でしょ」

「ナライ問題ない。モナカだって、自分とナライのどちらを選ぶか俺に聞いてきた。俺はどちらもまっぴらだけどね」

「おだまり、ワンコごときが私はともかく、王女様に対して失礼だぞ」モナカは美しさを増し、それは、威厳と言う恐ろしい権力を身に纏った。


モナカに1番忠実な若いメイドは、狩猟犬のビーグルだった。

「魂は清らかになればなるほど、次元が上昇するのよ」モナカは若いメイドを側近に加えた。


 モナカの魂自体は色も艶も美しい、勾玉を思わせた。単純な色彩ではないのだ。魂の色まで知ってしまった銀河はモナカをより一層警戒せざるを得ないのだ。ナライを護るためにも。


 今は、ナライが大人になるまで、待つことが出来る。魂が満ちたりた国では、戦争も殺戮もなくなる。ナライの代わりがいないのが残念だが、ナライはどの次元も必要とされる筈だ。俺だけが独占出来ることもなく、第一ナライは今でも銀河をワンコと呼ぶのだ。


「モナカぁ、ワンコたち、来てごらん。魂の製造装置改良したんだ」

「まあ、すごい速度で吐き出されてるわ」


 命が産まれる瞬間を、連射で眺められるのだ。第六世界の次元はもはや最高レベルまで上昇するだろう。


 モナカのドレスはさらに豪華になり、ナライの白衣はくたびれている。銀河は、再生された魂のすり減り具合が気になっている。


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天才少女ナライ異世界で魂を製造して成り上がる きしべの あざみ @sainz

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