第25.5話 作戦会議
”たまも”の凸待ち配信は盛況で幕を閉じた。
俺はというと凸待ち後自分の配信へ復帰し、リスナーにからかわれながらも無事に配信を終えた。
「ふ~、どうしよう」
年末から悩み事が尽きない。
とりあえずいつも通り千鶴と康介で反省会だ。
『おつかれ~』
『『おつ~』』
Discordに入ると既に二人ともインしていた。
『……どうするよ』
『それはこっちのセリフなんだけど?』
『そうだよ、兄貴的にはどうなの?』
確かに今回のことは俺がきっぱり断らなかったのが原因だ。
『千鶴を身代わりにしようと思っている』
『やっぱそれしかないかなぁ』
『え~! それはさすがに無理じゃない?』
『ちょっと今度声調整してやるから家来いよ。兄妹だしもしかしたらいい感じに似た声出せるかもしれないし』
『声変えてるのは隠さず行く感じ?』
『そう考えてる。これまで有耶無耶にしようとしてきた理由って感じで』
『なるほどね、千鶴ちゃん的にはどうかな?』
『うーん、やってみるのはいいんだけど私的には正直に話すべきだと思うけどなぁ。ほら、〈にゃん太〉先生のときのこともあるしバレたらまたややこしくなるよ』
それは俺も懸念していた。個人的には素直が一番。隠し事なんて無いに越したことはない、それは〈にゃん太〉先生の件で身に染みている。
『そうは言うけどな、さすがに最近バレすぎだ』
『そうだね、千鶴ちゃんを筆頭に急にバレ始めた感じだね』
『そうなんだよ。まだ知った人が理解してくれてるから助かっているが好意的な人ばっかりとは限らないだろ』
『”たまも”ちゃんは大丈夫だと思うけどなぁ』
『千鶴ちゃんはなんでそう思うの?』
『なーんか、兄貴と同じ匂いがするというか、うまく言えないんだけど』
『なるほどね、千鶴ちゃんの案に乗ってみてもいいなじゃない?』
『うーん、まぁ後1カ月あるわけだしもうちょいゆっくり考えるか』
なにも急いで結論を出す必要はない。色々試したりしてみてからでも遅くはないはずだ。
『了解、それじゃあまた進展あったら教えて』
『あぁ、すまんな』
『いいよ、それじゃ乙~』
康介は一足早く落ち、俺と千鶴だけが残った。
『兄貴、〈にゃん太〉先生に正体知った感想とか聞いてみたら?』
『なるほどな、それはアリかもな』
『何ならこのチャットに呼ぶ?』
『康介落ちちゃったし明日〈にゃん太〉先生さえ良ければ呼んでみようか』
『りょ』
〈子月 なな〉の運営に新たなメンバーの入る気配がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます