2.6

「んで?君は誰?名前と年齢教えてくれる?」


そう言われて、携帯でカコカコ文字を打ってその人に渡す。


“花岡伊織です。17歳です”


「…花岡伊織ちゃん、ね。なるほど…君は話せない?声は聞こえてるよね?」


携帯ありがと、と返される代わりにそう質問される。

それに頷くと、そっか、とその一言だけ言われた。


「俺は島崎直人。君の1つ上の18歳だよ。よろしくね」


さっきは怖がらせてごめんな、なんて言ってくれた、私に…

この人も、いい人なんだろう。

私はまだ紫苑くんと優希くんしか信じられないけど。


ちょっと申し訳ない…



座ろ、と紫苑くんに言われて私を警戒するように睨みつけてくる2人の男の人を見ながら紫苑くんに続いて座る。


「おい優希、この女を姫に…なんて、考えてないよな?」


「悟、この子はいおりちゃんだよ」


「、おい、質問に答えろよ。この女「いおりちゃん」このおん「いーおーりーちゃーん」…い、いおりを姫に、なんて考えてないよなって言ってんだよ」


「流石に今は考えてないよ。」


「“今は”かよ」


「だってまだ会って一時間も経ってないよ。流石にまだ考えてないかな」



…なんか知らないうちに話が進んでる気がするけど、私の名前が出てるし私に関係のあることだよね?




多分…








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エン らりる @rarirurerowawon

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