2.5

「勘違いしないでよね、僕らは誘拐したんじゃなくて保護したの!勝手な判断で!」


「その保護も傍から見れば誘拐に見えんだぞ?」


「ほーご!!だって今何時かわかってる?こんな時間に公園でたけのこの里食べようとしてんだよ?!危ないでしょ!」


「…うん、それは危ない」


「でしょ?!」


ウン、と頷く髪の毛の赤い人。

誰だろ、なんか怖そう…


なんて、思いながら紫苑くんの服の袖をちょいっと引っ張る。


「ん?どうしたの?」


微力でも気づいてくれた…しかも、優しく笑いかけてくれている…


私が触っても殴らないし、汚いって言わないし…


優しい人たち、ここは優しい世界だ。



“なんで家に帰らないってわかったの?”


そう、文字を打つと苦笑いをする優希くん。



「あー、ほら、店員さんにレジでおしぼり貰ってたよね?あれ見て家に帰らないのかなって思って」


なんて言われた。

おしぼり貰っただけで家に帰らないって分かるなんてすごい…






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