2.3

「そっか!えっと、どういたしましてってどうやるんだ?んー………ちょっと待ってね」


どーいたしまして…手話…と、と言いながら調べたと思ったら、ニコッと笑って顎を小指でとんとんと2回叩いた。


“どういたしまして”


初めて、手話で会話してくれた。



なんて、嬉しいんだろう…


泣きたくなるほど、嬉しくて、でも、泣けなくて…


だから私は、にこっ、と笑った。


その後、優希くんが「何やってるの!早く来なさい!風邪ひくでしょ!」ぷんぷん!と言わんばかりにやって来て、


「いおりちゃん!め!」と私の額にデコピンした後、「こら紫苑…女の子を長い時間外に出すな…分かったな?」と紫苑くんに「愛の鉄拳!!」と言いながら上から拳を落とした。



“……ママ…”


そうパクパク口を動かしたのを見たものはいない。







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