2.2

でも、


「…怖い?」


降りようにも届かない足にどうすればいいのか分からず、短い足をちょいちょーいと伸ばしてみるも、やっぱり届かず、ジャンプは元々弱い心臓により出来ないので、どうすることも出来ずに


もう1回座った。



「ぶふっ、」


その様子を見た紫苑くんがなにやらくすくす笑いだして頭にハテナを浮かべる。

なんで笑ってるんだろう…


首を傾げる私においで、と言って手を広げてくる。

未だに首を傾げ続ける私に紫苑くんが繋いだままの手を引っ張ってそのまま私を抱えると車から降ろしてくれた。


「最初からこうすればよかったね」


と笑いながら言ってくれた紫苑くんにありがとうと思わず手話をしてしまった。


「ん?今のあれだよね?手話」


と、言われた瞬間にあ、と気付いた。



“ご、ごめんなさ”


そう慌てて文字を携帯で打つと、その手を止められる。

そして、


「えっとー、手話…言葉…っと、」


紫苑くんは携帯を操作しながらそう言うと、あ、これかな?と言った。


「“ありがとう”?ありがとうって言ったの?」


何故か嬉しそうに言うから、困惑しながらも頷く。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る