1.6

そうなんだ、と納得して私はお会計に行こうとゆうきくんにバイバイ、と手を振る。

ゆうきくんも私に手を振り返してくれて、ちょっと嬉しかった。


お会計に行くまでに何人かに会って見られて、さっきの陸って人にも何故か舌打ちされたけど、そんな扱い慣れすぎてどうでも良くなった。


お会計お願いします、と手に持ってた物を置くと店員さんがピッ、ピッとレジに通す。


「260円でーす」


と言われてお金を出すと、

「あざしたー、またお越しくださいやせー」

と言われてぺこりとしてから外に出た。


パックのジュースにストローをさしてから歩き出すと、後ろからバタバタと音が聞こえてきて何事かと思ったら、


「ちょっと待って!」


ゆうきくんがいた。


「いおりちゃん、こんな時間にどこ行くの?家に帰るんだよね?」


何故かそんな事を聞かれて首をかしげる。


“帰らないよ、公園に行くの”


と口をパクパクさせながら、首を振ると


「なら俺たちとおいで」


そう言われて手を差し出してきた。



どうして?と聞くと危ないからと答え、大丈夫だよ、と言うと確信はないでしょ?と言われる。

何を言っても全て正論で返されるから諦めてゆうきくんと手を繋いだ。





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