1.4
「お名前は?」
暖かい手に優しく頭を撫でられながら聞かれる。
手話じゃ分からないかな…と思ってお兄さんの手のひらに文字を書く。
「り?いや…い、か。…お、…り?いおりちゃん?」
と言われてそう!とこくこく頷く。
花岡伊織。それが私の名前。
「そっか。可愛い名前だね。俺はね、ゆ、う、き。佐野優希だよ。よろしくねいおりちゃん」
ゆうき…ゆうきくん?かな…
馴れ馴れしいかな…でも、ゆうきくんもいおりちゃんって呼んでくれたしゆうきくんにしよう。と自己解決させながら頷く。
「こんな時間にどうしてここにいたの?」
と言われて、どう説明すればいいのか分からなくてニコリと笑ってまたたけのこの里orきのこの里選びに戻るためにしゃがみこむ。
パックのジュースを右手に持ちながらどちらにしようかなと決めた結果きのこの里になったのでたけのこの里を手に取った。
「……ん?!」
と突然声を上げたゆうきくんに首を傾げると、なんでもないよ、と微笑まれたからそっか、と頷いた。
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