第15話 現金こわい

ある日ある時ある場所で臆病者の話


太郎「いや〜やっぱりホラー映画は怖いね〜」

次郎「イヤイヤ本物には及ばねぇ」

三郎「そんなもんより生きてる人間の方が怖いよ」

熊五郎「どいつもこいつも臆病者だな」


太郎「じゃあお前は怖いものないのかよ!」

熊五郎「あるわけねぇ 映画とか楽しむだけだろ」

次郎「心霊スポットとか大丈夫なのかよ!」

熊五郎「そんなもんは【幽霊の正体見たり枯れ尾花】ってやつよ」

三郎「怖いお兄さんとかビビるだろ!」

熊五郎「ビビるからつけこまれるんだよ 堂々としてりゃなんてこたない」


太郎「何か一つくらい怖いもんあるだろ?」

熊五郎「まぁ全く無いわけじゃない 俺はコロナが怖い」

次郎「コロナウイルスが怖いのか?」

熊五郎「ああそうだ 目に見えないし、どんなに対策しても運が悪いと感染して死ぬ」

三郎「お前にも怖い物あったんだな」


熊五郎「特に誰が触ったかもわからん現金が怖い 消毒もしてない現金とか怖すぎだろ 俺はウイルス怖いから現金は絶対に持たない お前らも俺に現金近づけるなよ?」


太郎と次郎と三郎は熊五郎が怖がるところを見たくなり、お互いにありったけの現金を用意したのだった。


その夜……

部屋で寝ている熊五郎の周りに現金をビッシリと敷き詰め、隣の部屋で熊五郎に声をかけるのだった。

太郎「お〜い熊五郎 飯の時間だぞ起きろ」

次郎「お前の好きなタコ焼きだぞ 早くしねえと冷めちまうぞ」

熊五郎「ななな……何が起きたんだ現金だらけじゃないか!」

三郎「クックック ビビってやがる」

熊五郎「あー怖くて動けない〜」


中々部屋から出てこない熊五郎。

流石に心配になった三人は部屋を覗いてみると……

現金を集めてニヤニヤしている熊五郎がいた。


太郎「お前現金が怖いんじゃなかったのかよ」

熊五郎「ああ 怖くて仕方ない」

次郎「何で現金集めてるんだよ」

熊五郎「怖いが囲まれてると動けないからな」

三郎「何で笑ってんだよ」

熊五郎「怖くておかしくなりそうなんだよ」


熊五郎「これで海外行きの航空券を渡されたら恐怖のあまり死んでしまうかもしれない」


解説

昔の適当話は適当な上時間も経ち、覚えている物は大体書いたので、新作と思い出した時には昔の話を書くつもりです。

こちらは、まんじゅうこわいですね。

アレンジしましたが、お茶が上手く表現できたか悩むところです。

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