第16話 どちらが上手?

ある日ある時ある場所で風と太陽の勝負


風と太陽はいつも競い合っており、ある日いつものように風が勝負を持ちかけた。

「太陽 あそこのサラリーマンのコートを脱がせる勝負をしないか?」

「いいよ」

「では私からだ」


風は冷たい風を吹きつけた。するとサラリーマンは震えながら近くの喫茶店へ入りコートを脱いだのだった。ホットコーヒーを飲んだサラリーマンは再びコートを着て店を出てきた。


「次は僕の番だね」

太陽は力いっぱいサラリーマンを暖めた。するとサラリーマンは汗をかきながらコートを脱いだのだった。


緒戦は引き分け。


「やるな 次はサラリーマンのズボンを脱がせる勝負だ」

「いいよ」

「では私からだ」


風は凍りつくような冷たい風を吹きつけた。するとサラリーマンはお腹を抑えながら公園のトイレへ行き、急いで個室へ駆け込んだ。

用を足し終わったサラリーマンは、再びコートを着て自宅へと向かうのであった。


「次は僕の番だね」

太陽はまるで真夏の様な陽射しでサラリーマンを暖めた。するとサラリーマンは汗だくになり、コートを脱ぎ捨て家に着くなりお風呂へと直行したのであった。


服まで脱がせた太陽だが勝負には関係ないので、2回目も引き分け。


「これで最後にしよう サラリーマンを家から出させた方が勝ちだ」

「いいよ」


風は荒れ狂う激しい風を吹きつけた。するとサラリーマンは今日は家を出るのを諦めたらしく、早々に寝てしまった。それでも何とかサラリーマンを家から出そうと朝まで頑張ったが、結局家を壊す事も家から出させる事も出来なかった。


「次は僕の番だね」

太陽はゆっくりじっくりサラリーマンの顔へ日光を当てた。寝坊したと思ったサラリーマンは慌てて会社へと行くのでした。


「これで僕の勝ちだね」

「クソっ 朝まで粘るんじゃなかった……」


解説

北風と太陽ベースです。

現代ならどうなるかな?って感じで書いてみました。

ただオチは弱いかなと反省。

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