第12話 隠し事

ある日ある時ある場所で小僧と和尚の話


ある晩小僧が目を覚ますと、何やらいい匂いがするので、辿って行くと和尚様の部屋からだった。

コッソリ部屋の中を覗くと、何やら鍋のような物を食べている。小僧は部屋へ入ると……

「和尚様! 夜中に何をしているのですか?」

「小僧か こ……これはだな牡丹を茹でて、白茄子に和えておるのじや」

「へー そこにあるのは白茄子の皮ですか?」

「そうじゃ」

「美人なら絵にもなりますが、和尚様だとまるで猪が座り込んでいるみたいですね 何か隠していませんか?」

「いや 何も隠してなどおらん 早く寝なさい」

「そうですね 白茄子の親も寝ていますし……」

「……わかったわしの負けじゃ こうなったら毒を飲んで詫びよう」

「和尚様……」

側にあったお猪口の液体を飲み干す和尚様。

「それ般若湯ですよね?」

「わしには毒は効かなかったようじゃ」

全く反省していない和尚様であった……


解説

所謂隠語です。

牡丹 猪の肉

白茄子 鶏卵

般若湯 日本酒

トンチ小僧の話を改変した感じです。

白茄子はインド原産であるようですが、今回は違います。

白茄子の皮は割った後の殻ですね。

上手く表現出来てないですが、【立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花】的な感じで、花であればいいけど、猪の方だよね?と言いたかった。

酒は毒にも薬にもなりますので……

和尚様全く反省してません!

出来れば水飴やぼた餅も入れたかったけど、長くなりそうだしデザートまでいくとやりすぎ感があるのでここまで。

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