あとがき
エミリアン・ビアールと言う男:
まず、本作品を読んで頂きありがとう。
今回はシリーズを通しての主人公の一人、エミリアン・ビアール教授についてフォーカスしてみようと思う。
まず、彼はパリ大学出身の哲学の合理主義哲学を専門にしている教授で、彼は、ナポレオン・ボナパルトの末裔である。ビヤール教授の主張は『権力と暴力に基づいたシステムは、正義や幸福に反する全ての事をもたらし、自由を阻害する。よって権力と暴力に基づいたシステムの無い社会と富の平等な分配を与えるという活動の妨害をしている者を排除する。そして、自由と富の平等な分配を与えるシステムの管理をアンドロイドに担わせ、人類は芸術や科学といった、創造的活動に従事すべきだ。』という考えである。
また、第十六章の「毎日の積み重ねで得る幸福」で、私はビヤールに
『まず自分に対して、楽しいと思う事を一生懸命やる事だ。そしてその中で、他人との接触がどうしても生じてしまう、その接触の時に相手に思いやりのある行動を、欠かさない事で、相手から親切にされる事の積み重ねが生じて、自分への小さな幸福となって、戻って来るのである。例えば、誰かが「おはよう」など、小さな気遣いをしてくれた事を一つ一つありがたく思う事で、毎日が明るく幸せに色づいて行く。また自分も相手の素敵な所を、本心から伝えたり、毎日が新しい始まりと考えて行動する事で、あなたの人生が冒険に満ちた人生となる』と
いう本を書かせている。
これだけを見れば、みなさんはほぼ全員が賛同するだろう素晴らしい思想であり主張であろう。だが、本作品を読むと、その素晴らしい偉業には犠牲を伴うとし、ビヤール教授は国際的犯罪組織と目される組織を統率しているのだ。
本事件の裏で暗躍する組織が、自分の才能を試す為にのみ事件を起こそうとするゆがんだ思想を持つ学生を利用する。
さて、みなさんは本作を読んで、それぞれの正義が交差している事に気付くだろう。
本あとがきではビヤールから見た世界について書いたが、きっとあなたのお気に入りのキャラクターが見つかるだろう。
いったい、どの、いや誰の正義が正しいのか?正義とはどうあるべきか?
本作品が、この難解な命題を考えるきっかけとなることを望む。
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ジャスティス・ウォー スペイン編セビリア大聖堂の金塊 @asakai
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