第28話 グラス平原の攻防5

 side ???


 私は田舎暮らしが嫌だった。


 毎年のように変わり映えのしない農作業と、ぱっとしない行事を繰り返す日々。


 村は貧しく、何とか食い繋いでいくのがやっと。


 蓄えなんて無いし、弟がひもじい、ひもじいって泣いている日々。


 ひもじいのは私も一緒だけど、私は我慢した。


 私はお姉ちゃんだから。


 だから、我慢したし、我慢出来る。


 そんな風に我慢して、強い子を演じていたからだろうか。


 私はある日目覚めたら、知らない人の馬車に乗せられていた。驚愕する私に馬車を操る御者が言う。


「お前さんは売られたんだよ」


 どうやら、両親は金に困って私を売ったらしい。そして、私はティムロードという町に連れて行かれるらしい。


 何故……? どうして……?


 私、文句も言わずにいたし、キツイ農作業だって頑張ってお手伝いしたんだよ……?


 なのに、何で……?


 御者の人はそれなりに私に事情を説明してくれていたみたいだったが、私はその言葉の半分も理解出来ていなかった。どうしてという思いで心がいっぱいだったから。


 ……なんだろ。


 ……心が苦しい。


 ……………………。


 …………。


 ……。


 それから、私は馬車旅をしながら、読み書きをしたり、剣の稽古をさせられたりしながら、ティムロードへと向かっていく。


 良くは分からないけど、私はこれから私を買ってくれる人の為にアイドルにならないといけないらしい。


 アイドルになれないと辛い目にあうかもしれないから、とにかく頑張れと御者の人は励ましてくれた。


 でも、そんな励ましが無くても、私は頑張れる。


 だって、アイドルだ!


 その昔、王国を救ってくれた勇者様が作ってくれたという伝説の職業!


 アイドルになれば、お父さんやお母さんにも自慢できるし、弟にもパンをいっぱい買ってあげられるだろう! 村をまるごと豊かにすることも出来るかもしれない!


 私はアイドルになるためにいっぱい頑張った。


 ティムロードの町に近付く度に、私と同じような女の子が増えていく。


 私たちは皆でアイドルになろうねって頑張っていたけど、多分、皆、私だけはアイドルになれますようにって頑張っていたと思う。


 そして、試験当日――。


 私はものの見事に試験に落ちた。


 試験の問題は、とても難しく、読み書きが出来るからといって何とかなる問題じゃなかった。


 それに実技試験も、私なんかよりも強い人が多くて……全く歯が立たなかった。


 その結果、私は私を買ってくれる旦那様に捨てられた。捨てられたというか、要らないと言われた。


 旦那様が欲しかったのは、若くて活きの良いアイドルであって、アイドルにもなれない落ちこぼれは要らないと言って相手にされなかった。


 そんな私を御者の人が救ってくれる……――と思っていた。


 けど、御者の人は怖い顔で私のことを役立たずと罵り、挙げ句に娼館に売り飛ばすとまで言った。


 私は怖くなって、その場から一目散に逃げ出した。


 その後は最悪だった。


 お金が無いから、食べる物も買えずに残飯を漁って飢えを凌いだり、店先の物を盗もうとして叩かれたりもした。


 そして、限界が来て、路上で倒れていたところを、同じような境遇の女の子に拾われた。


 そうして連れて行かれたのが地下だ。


 ここは、貧しい人たちが肩を寄せ合って住む場所だよ、と私を拾ってくれた女の子は教えてくれる。


 私を拾ってくれた女の子は、他にも私に色々な事を教えてくれた。


 お金稼ぎをするために冒険者になる方法や、冒険者で腕を磨いたらアイドルになることだって夢じゃないということも教えてくれた。


 それに地下には私たち以外にも、多くの地下アイドルという人たちがいて、その人たちは助け合って生きているのだとも教えてくれた。


 私は私を助けてくれた人と一緒にアイドルを目指すことにした。


 別に生きていくためには冒険者でも良かったのだけど、その人には命を助けてもらった恩があったし、何よりその人はアイドルになることが夢だって、凄くキラキラした目で話すものだから、私もアイドルになりたいと思ってしまったのだ。


 私はその子とアイドルになる事を目指す為、まずは冒険者になることを決意する。冒険者登録料は、その子に借金してしまったけど、背に腹は代えられないから……。


 ……………………。


 …………。


 ……。

 

 冒険者となって半年以上が経ったある日、私は相棒となったあの子と依頼をこなす為に、町の外に出て魔物と遭遇してしまう。


 依頼自体は北の森の外縁部で薬草を取ってくるだけの簡単なものだったのだけど……運が悪かったのだろう。


 その子は私を庇って魔物に殺されてしまい、私は左目を失った。


 一生ものの傷を負って地下に帰った私に、人々は言う。


 ――その傷じゃアイドルは無理だよ。諦めた方がいいよ。


 ……確かにそうだ。


 日常生活でもまともに物が掴めない。


 遠くにあるのか、近くにあるのか、今までと感覚がズレるのだ。


 こんな状態でアイドル資格試験に受かるわけがない……。


 私は悩んだ。


 悩んで、悩んで、悩んだ。


 それこそ、何日も、何日も悩んだ。


 思い出すのは、死んだあの子がアイドルの話をしている時のキラキラとした顔。


 アイドルになりたくて、頑張っていた自分。


 そして、アイドル資格試験にもう一度挑戦するんだと息巻いて冒険者になった頃の自分とあの子。


 ……でも、もう全ては元に戻らないと考えた時、私の目の前がとても色褪せて見えた。


 私は誰に何を言うでもなく歩き出す。


 全ては、魔物が悪いのだ。


 中途半端に私の左目だけを奪って……。


 どうせなら、あの子じゃなくて、私を殺してくれれば良かったのに……。


 そうすれば、こんなに苦しい思いに苛まれずに済んだのに……。


 気付いた時には、私は町の外に出て来てしまっていた。


 そして、そんな私をグレーウルフという魔物が囲み始める。


 そうだ。こんな最悪な人生は終わらせよう――。


 あの子が行った場所に私も行こう――。


 そうすれば、もう苦しくも辛くもなくなるから――。


 だけど、私の体は何故だか震え出し、私の片方の目は何故だか涙を流す。


 そして、何故だか嗚咽が口から漏れ出てくる……。


 何でだろう……?


 私はもう覚悟を決めているはずなのに、何でこんな……。


 こんなにも、心が痛いのだろう……?


 それでも、人生を終わらせようと一歩を踏み出そうとした瞬間――、風が吹いた。


 ……種類で言うなら暴風。


 その風は一瞬で私の周りにいたグレーウルフを倒すと、私の顔を覗き込む。


 怖い顔をしている。


 物凄く怖い顔をした男の人。


 きっと悪い人だ。逃げないと……。


 だけど、その怖い顔の人は私の顔を睨みつけながら、こう叫んだ。

 

「泣くって事は悔しいって事だろうが! だったら、テメェを見下した奴ら全員を見返してザマァミロって言ってから死ねや!」


 ……え?


 …………。


 景色が一気に色付くのを感じる。


 親に勝手に売られて、アイドルになろうと努力しても報われなくて、心の拠り所だった友達は死んじゃって、それでも、まだアイドルになることを諦めていなかったのに皆に無理だと言われて……。


 ……ずっとモヤモヤしていた。


 でも、この人に言われてようやく分かった。


 そうか。


 私はずっとんだ……。


 風が吹く。


 私を包むかのような暖かい風。


 私を見下ろすその人は、顔は怖いけど、私には唯一の光に見えた――。


 だから、私はこの人を離さない。


 この人を離したら、私は今度こそ枯れてしまうだろうから……。


 私はこの人に背負われながら、何処かへと連れて行かれる。でも、どこでもいい。私にはこの人が唯一の希望だから。


 私はこの人の服の裾をギュッと握って離さない。それだけが、唯一の光だから……。


「おい、着いたぞ! 降りろ! ――って何、背中にしがみついてやがる! 俺は戦場に戻らねぇといけねぇってさっき言っただろうが! フザケんな! 引っ剥がして……ギャハハハ! 脇腹くすぐるんじゃねぇ! 遊びでやってるんじゃねぇんだぞ! このままじゃ本当に冒険者としてやっていけなくなるだろうが!」


「……闘技場の前で何を騒いでいるんですか? 入るならさっさと入りなさい?」


「アアッ!? ……ん? お前は確か、この間、引退したアイドルの――」


 ――私は光を離さない。絶対にだ。


 ★


 side ノア


 ガチンッ、と鈍い音がしてノアの目の前を銀色の刃先が舞っていきます。


 しまった――と思った時にはもう遅いです。


 ノアが……、ノアがししょーから貰った大切な剣が折れてしまいました!


 思わず泣き出しそうになってしまうのを堪えながら、ノアは【風の弾丸】を連射しながら後ろに退きます。


 これは、ノアが初めてししょーから貰った武器なのに……折れてしまいました。


 この剣はただの剣じゃないです。


 ノアがししょーの訓練を耐え抜いた証。言うなれば、ししょーとの絆のようなものです!


 それが、折れてしまうだなんて……。


「乱暴に使っていたのがいけなかったですか……?」


 ししょーは、この剣を長いが恐ろしく軽いし、薄い剣だと説明していました。特殊な金属で作るよう注文したとも言っていた気がします。


 でも、それだけ薄くて軽いと折れやすいと思うのです。


 多分、今まで乱暴に扱っても折れなかったのは、ししょーがこの剣が簡単に折れないような魔法を掛けていたからだと思います。


 ししょー、ありがとうございますです……。


 そして、ノアはそんなししょーの期待に応えたいです! 


 この際、その辺に落ちているリザードマンの槍でも何でも良いです! とにかく、早く戦う準備を整えるですよ!


 そんなノアの心の隙を突くように、ウネウネクネクネした植物の魔物の蔓がノアの片足に巻き付くです!


 マズイです! 宙に持ち上げられるです!


 ろくに抵抗の出来ない空中に吊るされるのは致命的です!


 ノアが顔を青褪めさせる中、巨大な蟻の魔物の群れが顎をギチギチと鳴らしながらノアに迫ってきます。


 ノアを肉団子にして食べる気ですか!?


 ノア、美味しくないですよ!


 ノアは逆さ吊りの体勢で暴れるです!


 せめて、【風の弾丸】で狙える範囲に植物の魔物の姿が見えれば……!


 けど、そんなノアを嘲笑うかのように、上空から鋭い風切り音が響いてきます! 空からもノアを攻撃する気ですか!? ズルいですよ!?


「あ、そうです! 足に絡まった蔦を【風の弾丸】で――」


 けど、ノアの考えは一瞬遅かったようで、上空から迫ってきた何かはノアの足に絡まっていた蔦を粉砕し、寄ってきていた蟻の群れを衝撃でひっくり返し、植物の魔物を衝撃でズタズタにします!


 とんでもない威力です! あんなのまともに食らっていたらたまったもんじゃなかったです! たまたま外れてくれて良かったです!


 ノアは空中に放り出されながら、その正体不明の攻撃を観察しようとして――……硬直します。


 大地に突き刺さった、真っ黒で太い、剣というのも烏滸がましいデカイ棒に――、めっちゃ見覚えがあったからです!


「ノアの素振り用のアダマンタイト棒!」


 重くて、頑丈で、ノアの筋力を試験前までに見事に引き上げてくれた、あのアダマンタイト棒が何故此処にあるのです……?


 ――そんなの決まっているです!


 ノアは地面に叩き付けられながらも、急いで立ち上がると平原のど真ん中にいる、ししょーに目を向けます。


 ノアたちダークエルフ族は森の中で狩りをする種族ですから、目と耳の良さには自信があるんですよ!


 ししょーは何かを放り投げたような姿勢から踏ん反り返ると、親指を上に上げてニヤリと笑うです! その顔だけでノアには分かりました!


 ――やっちまえ!


 ノアは確かにししょーがそう言うのが聞こえた気がします!


 ノアもししょーの期待に応える為に、指を上げて応えようとするのですが……。


「あれ? どの指上げてましたですっけ?」


 ししょーの贈り物に胸がいっぱいになって、ししょーが上げていた指を忘れてしまいました!


 とりあえず、中指あたりを上げておきましょう!


 ……あれ? 何かししょーが怒っているような?


 上げる指間違えたですかね?


 むしろ、指を上げちゃ駄目だったですか?


 じゃあ、指を握り込んで親指を――なんで、ししょー、顔真っ赤にして両手で顔覆っちゃうです!? そんなに、ノアいけないことしたですか!?


 ノアは爆心地ともいえる場所に走り寄ってアダマンタイト棒を引き抜くです!


 いつもなら重く感じるのですが、ししょーの魔法が掛かっている今なら、十分に軽いです!


「いくですよー!」


 ししょーが棒を投げた衝撃でズタボロになっていた植物の魔物にトドメを刺し、ひっくり返って足をバタつかせている蟻たちを一匹残らずアダマンタイト棒で潰して回るです!


 蟻の魔物は甲殻がやたらと硬かったですが、腹側は案外柔らかいですね! これだったら、ひっくり返してから、思い切り叩いた方が簡単に攻略出来るです!


 さっきまで、甲殻の硬い部分を無理矢理叩いて中身ごとヘコましていたですけど、良い攻略法が見つかったですよ!


 まだひっくり返ってない蟻たちを、ノアはししょーから習った逆風で次々とひっくり返していきます! 何かそういう遊びみたいで楽しいです!


 ひっくり返った蟻は時間が経てば、起き上がってくるですけど、起き上がってくる前にノアが叩いて潰します! 叩いた時に蟻の魔物から飛び散った血(?)が掛かったら皮膚が溶けて、治ったので、蟻の血にも注意が必要なのかもしれません! 今はそれぐらいじゃ怯まないですけど!


 そうやってノアが蟻の群れを潰して回っていると、後ろが何だか騒がしくなってきます。


 何です? 新手ですか?


 そう思って振り返ると、そこには何やら知らないオジサンたちが五人もいるじゃないですか!


「チッ、剣の切れ味が悪くなってきやがったな。そろそろ変え時か。……お、何だ? 先に此処まで来てる気合の入った奴もいるじゃないか!」


 バンダナの髭面がそう言ってノアに話し掛けてきます! まさか、人攫いですか!? ノア、学習してるですよ!


「オジサンたち何者です!」


 油断せずにノアがそう尋ねると、バンダナヒゲがいきなりノアに向かって襲い掛かってくるです!


 鈍重そうなのに無茶苦茶早い動きです! ノアは必死で武器を構えようとして――、


「動くんじゃねぇ!」


 ――瞬間、ノアは武器を握る手を下ろして、迫りくるバンダナヒゲを見守ります。


 そのバンダナヒゲの視線がノアの背後に向いていたのが分かったから、抵抗しない方が良いって判断したからです!


 バンダナヒゲはノアの近くにまで寄ると、持っていた剣を一閃!


 次の瞬間、パンっと何かが破裂したような音がして、ノアの足元に昆虫の欠片のような物が飛び散ります! 何です、これ! 気持ち悪いです!


暗殺者蜂アサシンビーだ。羽音を立てずに近付いてくるから、気付き難い。今後は気を付けるんだな、良い武器持ってる嬢ちゃんよ! ガハハハ!」


 そんな魔物もいるんですね……。


 次からは気を付けるようにするです!


「次からは気を付けるです! それにしても、良い武器持ってるって何ですか?」


「その棒、アダマンタイト製だろ? 俺のもアダマンタイト製なんだ! 両方とも良い武器だろ? ガハハハ!」


「確かに良い武器です! ガハハハ!」


「おい、子供に変な事吹き込んでんじゃねぇぞ! 急げよ、ネロ! 【白銀】たちにそろそろ追い付かれるぞ!」


 ローブを着たオジサンが、そう言って、ネロと呼ばれたバンダナヒゲを急かします。


 追い付かれる? 【白銀】?


 良く分からないですけど、誰か来ているですかね?


「せっかちな奴だな、ギルは。まぁ、いいか。嬢ちゃんはそろそろ帰りな。ここから先は俺たちA級冒険者【光夜】の領域だぜ。アーサー、イスカ、行くぞ! ギルの野郎がうるせぇからな。ちゃっちゃっと行って、ちゃっちゃっと金貰って豪遊だ!」


 バンダナヒゲがそう叫んだ瞬間でした。


 真っ白な光がノアたちを激しく照らします。何が起こったのか分からない内に、爆音と衝撃が空気を伝わって、ノアはビックリしてその場にひっくり返ってしまいました!


 何です! 今の!


 まだ耳がキーンとします!


「く……、そが! このタイミングで【暁の魔女】が動き出したか!」


 あ、耳鳴りが治りました! 流石、ししょーの魔法です!


 ところで、【暁の魔女】って何ですかね?


 ノアは疑問を抱えながら、ふと周囲を見回してみると……。


 ……ノアたちからそんなに離れていない場所が超広範囲に渡って焦土と化していました。


 え? 何です、これ? ドン引きです。


「おい、ヤベーぞ、ネロ! 今のにビビって、魔物どもが森に引き返し始めてる!」


「嘘だろ!? ――俺たちの飯のタネが!」


「素材が高値で売れる奴だけでも狙って狩るぞ! ファラオも走れるな!」


「運動は苦手ですが、これも教会への寄進のため。致し方ありません……」


「じゃあな! イカした嬢ちゃんガール! 俺たちは先に行くぜ!」


 オジサンたちは似合わないウインクを残して嵐のように奥へと突っ込んで行ったです。


 ノアは焼け焦げた大地を一回見て、バンダナヒゲ……ネロさんたちが突っ込んだ方向を一回見て、ししょーから投げて貰ったアダマンタイト棒を軽く振ってから、それで頭をコツンと叩きます。


 ……痛いです。


 でも、目が覚めました。


「ししょーからは経験積んでこいって言われてるです……! こんな所で臆していたら、とびっきりの奴が味わえないですよ……!」


 だから、ノアは迷うことなく歩みを前に進めます!


 ――やっちまえ!


「やっちまうですよ! ししょー!」


 その時ノアには、確かにししょーの声が聞こえた気がしたです!

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