第3話「水族館」

サカナのカナちゃんデス。

今日ワ水族館にって魔入まいりまシタ。

早速ヒト殺しと魔入まいりショウ。


「サカナサカナサカナ…サカナを殺すとー…カナちゃんがー、ってくるうー…今日もヒトをころそっカナー、カナちゃんはカナー…」


初めてきまシタが、惨いとこデスね…どこカラ捕まえてキタのか、サカナがたくさん監禁されていマス。

これワもう殺るしかないデスね…


「すみまセン、ここのサカナを全部逃がシテくだサイナ」


「は?なに言ってんのあんた。魚を逃がしたら水族館じゃなくな…いぎゃあああああああああ!!!ぶがが…げへっ…だ…れか…た…っ!!!」


ありゃらあ?ごチャごチャうるサイので両腕をモギ取って大きなメジロザメがいる水の中に入れて殺りまシタが、愉しソウに游ぎ回ってマスね。思わぬサービスをしてしまいまシタ。

おお?これワなかなかデス。腕がないカラ游ぎかたが少しサカナの様デスね。

残念、もうサメに喰われちゃいまシタ。

…でワ、次にいきまショウ。


「あ、お嬢ちゃん。これあげるので帰っタラ焼いて喰うといいデス」


ありゃらあ…せっかくモギ取った女の腕をあげようと思ったのに喚きなガラどっか逝ってしまいまシタ。失礼な子デス。…捕まえナイといけまセンね。

デモまずワこの邪魔くサイ腕を誰かに殺らなくてはいけまセンね。


「あ、そこのアナタ、これ喰いマスか?あ…チョット待てよ。ムシはよくナイと思いマスよ?おい、聞けよ…」


「いぎいいいいいい!!!耳が!!耳があああああああ!!!あいぎぎぎぎぎぎ!!!」


「耳がなんデスか?はっきり言ってくだサイよ。耳がどうかしまシタか?」


あ…死んじゃいまシタか……

全く、耳のあなにサンマ突っ込んだダケで死ぬなんてモロいデスね。

ありゃらあ?…これワ素晴らしいデス!ヒトの耳の孔からハミ出したサンマのヒレが激しく暴れていマスよ!きっとヒトの脳ミソを喰ってるところデスね!

ふレふレ!サンマ!がんばレがんばレ!サンマ!

喰え!喰え!サンマ!殺せ!殺せ!サンマ!

………失礼しまシタ。

小さな魚体からだで懸命にがんばル姿にスイスイ応援してしまいまシタ。

それにしテモこの状態だとヒトの耳の形がサンマのヒレの形をしている様に見えてカッコいいデスね。

…さテ、さっきの無礼なガキを探しまショウか。


「ヒトのガキのみんな、よくキケよ。ここワ今日からヒトぞくかんになったカラな。ヒトが水の中にいるカラよく見ろよ。こいつらが何分游ぎ続けてたバルかしっかり数えてオケよ」


さっきの無礼なガキと一緒に遠足で来ていた他も捕まえて殺りまシタ。今からそのガキ共と手足を縛って水の中でもがくヒトを見る人属館を見て回りマス。

そうそうこの人属館、ワタシが急いで創ったんデスよ。と言っても水族館に来ていたヒト共を捕まえただけなので展示シテいるヒトの数が少ないデスけど…水族館にいた奴らだけデスのでたった数百人くらいデスかね?

デモデモご安心くだサイ!

数日中にワ常時数千のヒトが水の中で悶え死ぬザマを観察することが可能な一大レジャー施設にしマス!


「ホラ、ガキ共よく見ろよ。水面近くから底までヒトがくるんでるダロ?どっかにお前らの親もいるカラ探せよ。そいつらが長生きした分だけおマエらも長生き出来るんだカラな。死んダラ交替だゾ…」


ありゃらあ!みんな揃って嬉し泣きを始めまシタ!

初日でこんなに喜んでもらエルとワ思いまセンでした。

メ出たしメ出たし、デスね。

でワ、ワタシはそろそろ次のヒトを殺しに魔入りマス。

また次の塲ショでアイまショウ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る