第4話「遊園地」

サカナのカナちゃんデス。

今日ワ遊園地にって魔入まいりまシタ。

早速ヒト殺しと魔入まいりショウ。


「カナちゃんワねー、カナちゃんって言うんだよー、ホントワねー…だけどサカナだカラ、ワとはが上手に遣いこなせないんだよー…嘘だよー…」


カナちゃんの唄、イカがカナ?

それはさておき、前回った水族館と同じでここにいるヒト共もはシャいでいマスが、何をはシャいでいるのデスかね?

そこにいる手を繋いだ男女に訊いてみまショウ。


「アナタ方ワ何をワラっているんデス?」


「あげげご…!!!」


「いやあああああああ!!!誰か!誰か助けてええええええ!」


「ありゃらあ?…忘れモノしてマスよ」


…戻って来まセンね。お話しようとシテ男の首を後ろから振り向かセタのが気に入らなかったのでショウか?嫉妬ブカい女デスね。

デモ、お話する時は向き合ってするのが礼儀デスよね。

女が置いてった男はここに放っておケバ後で取りにくるでショウ。

気を取り直して次にきまショウ。


「ねえ何が愉しいのデスか?」


「おごがえ…げぶで…!!!」


ありゃらあ…このヒトも振り向かせた途端に無言デスか、ヒトはマナーが悪いデスね。

次にいきまショウ。


「ねえ───」


次。


「あの───」


次。


「チョットいいデスか───」


次。

次、次、次、次、次、次、次、次、次………


「おい、チョットいいか?」


「はひっ!!?ははは、はい!!」


殺りまシタ!六十二回目で遂にインタビュー成功デス!

順番待ちの列の先頭で待ってイタのがよかったのデスかね?とにかく成功デス!

さっそく訊いてみまショウ!


「おマエら、ここの何が愉しいンダ?ほら早く答えろよ。答えなきゃさっきの奴らと一緒で立ったままジェットコースター乗ることにナルゾ?」


「ひいい……ゆ、許してください……おお、お金ならあげますから………」


何の話デスかね?わかりまセンが答えないのなら仕方がないデス…


「でワ、出発デス。がんばレよ」


「ひいいいいいいい!!!」


…ありゃらあ残念デス。

乗ってたヒト共はみんな地面に落ちてしまいまシタ。これでヒトに投げ棄てられたギョ港の雑コの気持ちが少しわかるといいデスね。

次にいきまショウ。


「ひいいやああああああ!!!……うごぎゅ…!!!」


観覧車のテッペンからヒトが落ちるのを見るのは愉快デスね。釣れを殺されたくないナラ他の奴を捕まえて落とせって言ったら次々と殺ってマス。醜く争って手っ取り早く捕まえられるガキ共を次々と…まるで縄張り争いシテいる猿の様デス。

ここは遊地のメインアトラクションになるかも知れないデスね。


「おいガキ。おマエの母親が戻って来たら次はおマエが母親を落とせよ。あ?なに不思議そうな顔をシテんだよ。当たり前ダロ、おマエの母親はおマエが飛ばなくて済む様にその辺のガキを落とシタけど、アイツ自身の分がまだダロ。それとも抱いてるその赤ん坊を投げ捨てルカ?」


ありゃらあ?泣いてますね。

お腹減っているのでショウか?

それなら…


「おい、その辺に肉が転がっているカラ喰えよ。四体喰ったら母親もその赤ん坊も見逃シテ殺る。おらさっさと喰えよ。ニンゲンに棄てられたサカナを猫が喰うのと同じダロ…」


ありゃらあ?まだ泣いてますね。

喰えば助かるのに…


でワ、ワタシはそろそろ次のヒトを殺しに魔入りマス。

また次の塲ショでアイまショウ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る