第2話「寿司屋」

サカナのカナちゃんデス。

手始めに寿司屋へって魔入まいりまシタ。

早速ヒト殺しと魔入りショウ。


「すみまセン、アナタの目玉の軍艦を一つくだサイナ」


「は?あんた何を言って…いぎゃああああああああ!!!」


ありゃらあ、これは痛そうデスね。

このヒト、自分で自分の目玉を抉り出そうとしていマスよ。

骨と眼球のスキマに指を滑り込ませる様にしてグリグリとほじくってマス。でもそれでワ目玉を取り出せたとしても六つある外眼筋を切ることは出来まセンね。どうするつもりなのでショウか?

あっ!これワいけまセン!道具ものを使おうとしていマス!


「だめデスよ。お寿司屋さんワ殺したサカナを手で握るんデスよね?」


「あぎいいいいいいいい!!!えぎゃえあああああああああ!!!」


おやおや、痛いのでショウか?

赤ん坊の様に泣き叫んでいマス。


「いぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!おごげえあがががぐびいいが!!!」


何を言ってるのかわからない上にノタウチ回ってて気持ち悪いデス。ビチビチと跳ねてマスけどワタシ達の物真似デスかね?

けど、全っ然似てなくてなにひとつとしてオモシロくないデスね。興ザメもいいところデス。

…ありゃらあ?

ついに眼球を引き摺り出しまシタよ。

あ、ストライキ。

………うーん…だめデスね。

デモとストライキをかけてみたのデスけど、イマイチどころかイマハチくらいデス。

それワさておき、いよいよ眼球を取り出しまシタね。

デモやっぱり外眼筋が繋がったままデス。引っ張っても引っ張っても外眼筋がチギれないデス。

おやおや?コレは以外デス。目玉がマナ板に届かないカラって顔を寄せて外眼筋が繋がったままで眼球をサバき始めまシタ。


「むぎいいいあぎいいいいい!!!」


アイ変わらずウルさいデスね。

チョット黙ってもらいまショウ。


「むぐぐぐぐぐぐぐぐぐ…!!!」


「アナタの好きなサカナさんデスよ。逝きがヨクて喉でおよいでマスよね?ヒレがトゲトゲでいいで感じデスよね?」


ありゃらあ?口から赤色の液タイが出てきまシタよ。

…ああ、これワ血デスか。

ヒトの血って赤色なんデスか…

苦しむサカナを無惨に殺すヒトの血が赤色とはオドロきまシタ。

黒色かと思っていまシタよ…


「がが…ぐ…ん…が……おま……ち……」


「ハイハイ。ありがトウございマス」


目玉の軍艦が届きまシタ。

さっそく喰いまショウ。


「………マズいデス…あ、そこのアナタ、コレあげマス。ほら、喰えよ…喰えって…喰わなきゃおマエの釣れテルそのガキを寿司にして喰わセルぞ」


おやおや…この女のヒト、嬉しソウに泣きながら喰ってマスよ。

なら…


「オイ、ココに逝るヒト全員分の目玉を軍艦にシテこの女に喰わセロ…喰いキルまで逃がスナよ」


でワ、ワタシはそろそろ次のヒトを殺しに魔入りマス。

また次の塲ショでアイまショウ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る