きっと風が気持ちいい

素素sai

きっと風が気持ちいい

この階段はどこへ続いているのかしら。


景色は変わるけれど、いつまでも終わりがないわ。

何かを求めてきたのか、探しにきたのか、忘れにきたのか、なあんにも覚えてないの。

戻ろうとしてふり返ったら、ぜんぶ水底に沈んでいたのよ。

ちょっと疲れちゃったから、柵の隙間から脚を放り出して水をかき混ぜたり、流れてくるボトルを拾って中に入っている紙切れの文字を読んだりしたわ。

少しは気がまぎれたけれど、どれもすぐに飽きてしまった。

この先の見えない階段を上り切ったところでなんになるのか、これっぽっちもわからない。

もしかしたら、なんにもならないのかもしれない。


でも上っているわ。毎日毎日上っているわ。

そうすれば、いつか海が見渡せるはずよ。

そしてそこには、どこまでも高い空が広がっているの。

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きっと風が気持ちいい 素素sai @motomoto_rororo

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