(第一部完結済)双剣使いの英雄譚 ~ロボやモンスターが飛び交う世界に転生したので、自由気ままに生きるために前世の経験を駆使して楽しみます~
第24話 ヴェルリート・グレーセアに、真の力があるってのか!?
第24話 ヴェルリート・グレーセアに、真の力があるってのか!?
「ぬううっ……私も衰えたとはいえ、一撃を見舞うか」
本気の一撃は、しかし
とはいえ、今の一撃が通じるなら、倒せねぇワケでもねぇな。
「どうした
「まさか。我が力は、いまだ振るわれていない」
その言葉と同時に、レーダーが高濃度の
間違いねぇ。高高度にいる
「引きこもって安全な場所からなぶり殺し、ってかぁ? いい趣味してんぜ!」
「まさか。この壁に絶対の自信など寄せていない」
俺は挑発をしながら、あるものを探す。
飛び回ったが、近くにあるはずだ。気配はそう遠くねぇ。
「俺が突破できるような言い草だなぁ?」
「そうだ。かつて私は、この壁をその機体に破られたのだよ。ゆえに、今の傷が付けられたのだ」
「俺のご先祖様、ってか? テメェと喧嘩なんざ、何しでかしたんだかな」
さらに挑発を重ねつつ、俺は気配の位置を掴んで飛行する。
「行き違いというものだ。ところで、逃げるつもりかな?」
背面のサブカメラが捉えた映像は、俺のヴェルリート・グレーセアに追い付きそうな速度で飛んでくる
なんつー速さだよ。
「逃がすつもりはないぞ。まだ私の目的は、果たされていない」
と、警報が鳴る。
熱源探知――
俺は機体をひねりつつ、ブレスを回避する。
まだ横に
「よっと!」
目的のもの――
「おや、それは」
「気づいたようだな。そうだよ、テメェのバリアをぶち貫く道具だ」
俺はヴェルリート・グレーセアが握りしめた
最初はただ、べちゃりと音を立ててくっつくだけだ。だが、ここからが本番だ。
「面白い。試してみるがいい」
「随分と余裕ぶっこいてんなぁ! 後悔すんなよ!」
俺は呼吸を整え、奥義“
切っ先を敵に向け、瞬きよりも短い間で刺し貫く技だ。
余裕か、あるいは別の意図か。
両方を滲ませながら、
気に食わねぇ……その余裕、突き崩してやる。
俺は息を吸い終えると、一気に操縦桿を押し込んだ。
次の瞬間、矢になったかのような勢いで、ヴェルリート・グレーセアが前へと進みだす。
生身で使ったこともあるこの技だが、やっぱアドシアだとだいぶ違うな。
「はあああああぁっ!」
一気呵成に、前へと進む。
感覚がスローになるのを実感しながら、切っ先が
その勢いのまま、
言うまでもなく――
「ぐううぅっ……!」
「ハッ、余裕ぶっこいてた割には大したことなかったなぁ!」
そのまま
だが、それでも
なんて思っていたが、よくよく考えると行動不能にさせるだけで十分だ。押しのけて、アドレーアたちのいるとこまで戻りゃいいんだもんな。
それに、今の
「そっちが邪魔したんだから、お望み通り押し通ったぜ……あばよ」
「待て」
「何だよオイ?」
その言葉で、俺はハッとする。
敵意は消えてたが、機体の熱が上がりっぱなしだ。
「今の一撃は解の一つだ……だが、私が考えうる限りの最高の解では、なかったな」
「何だと? 傷ついておきながら、負け惜しみを――」
「負け惜しみではない。最高の方法で私に一撃を見舞えば、私は既に消え去っている」
おいおい、マジかよ。
今の一撃でもだいぶ本気込めたってのに、それでもまだ足んねぇってか?
「どういうこった?」
「その機体の真の力を、お前は引き出せていない」
「なっ!?」
今でも
「既に機体は、真の力へと目覚めつつあるようだぞ。後はお前が気付くか、だ」
「異常な熱があるってことか?」
「ああ。だが、それを目覚めさせる方法は、お前自身で見つけるのが使命だ。私はそのための契機を、与えたにすぎん」
契機だと? まるで俺を鍛えるかのような言い方だ。
「……テメェ、敵なのか味方なのかどっちだ」
「時が経てばいずれ知れよう。今は敵で良いだろうがな」
「そういうことにしとくぜ。今は時間が惜しいんだからよ」
ただ俺を見つめる
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