第37話 動き出す世界

 六人はそれぞれの実力に見合った鍛錬をしつつ、高閣賢楼に通っていた。何も変わらなかったのはディリオスだけであった。


彼は毎日欠かす事なく、ミーシャと逢っていた。

ずっと一緒にいたくなるほど、彼女の事を大切に想っていた。


クローディアからもミーシャに毎週贈り物として、編み物や手袋等が送られてきていた。毎日変わらぬ日常ではあったが、

旅だった者たちが、途中から自己鍛錬や組手をする姿を、訓練施設で見かけだした。


しかも、並の鍛錬方法でもなく、組手も一切手を抜かず、両者とも限界の限界までいき、倒れこんで息も荒々しくなるまで毎日繰り返していた。そして息が整ったら高閣賢楼に向かって全力疾走していた。


 他の訓練兵は何があったのかは分からなかったが、自分たちよりも強い者たちが激しい鍛錬をしている事に周囲の者たちは活性化され、より厳しい鍛錬に打ち込んでいた。


その中にクローディアもいた。最低限の訓練ですら尋常ではないと感じていた。自分よりも遥かに強い人たちが、鍛錬に打ち込みいざという時の為に訓練していた。

野外活動を希望して落とされるのは当たり前だと、今はあの頃の自分を恥じていた。


自分を新兵として手続きをしてくれたジュンと言う人は更なる開花をする為に、瞑想していた。

それぞれ自分に必要な事に対して、皆が磨きをかけていた。

しかし、誰一人として厳しい鍛錬だと思ってはいなかった。


それはあの日以来、毎日ディリオスは知の番人と鍛錬している様を見ていたからだった。

そして日々確実に自分の壁を越えて、強くなっていた。


ディリオスの直向ひたむきな自ら不可能だと思えるほどの鍛錬は、今は静かなあの者たちに対抗するために必要不可欠であると、彼は他の者たちよりも戦いを経て誰よりも分かっていた。


 ネストルは妹であるセシリアと、公開して組手を始めていた。

明らかに次元が違いすぎるほどの組手は周囲も手を止めて、見続けていたほどだった。セシリアの能力は人が多い場所では余りにも危険だったためあくまでも体術だけの組手としていた。


クローディアはネストルがカミーユ王子の従者だと知ってからは、イストリア城塞には多くの優れた人材が集まっている事を知る事になったが、最初に意気込んでいた気持ちが消えそうなくらいまで、自分は役不足だと思うようになっていた。


ディリオスはあの日以来、いずれはそうなるだろうと思っていた。そしてクローディアが彼を見かけたのはあれが最後で、あれ以来見た事は無かった。彼女が訓練場に鍛錬をしに来るようになってから、少なくともクローディアが通い出して一月近く経っていたが、一度もその姿を見かける事は無かった。


 彼はミーシャと週に一度しか逢わないが、クローディアとも会うミーシャがクローディアの元気がなくなると心配するだろうと思っていた。そして、刃黒流術衆以外の人材の心が折れるとしたら、頃合いだと思って彼は訓練場に顏を出した。


漆黒の男が施設に入ると一気に、空気が変わって皆引き締まった。

別に何もしてはいなかったが、ネストルとセシリアの元へ向かって行き何か話していた。


そして話が終わると二階から見ていたアメリア訓練隊長の元へふわっと浮いて向かった。彼女は祖先オリバーと元エルドール王国の正門守備隊長のアビゲイルの血を引いていた。強い意志と資質から、ハヤブサは敵が来た場合には迎撃する中隊であったが、彼女は城壁から門を守る正門守備隊長に任命していた。


非常に優秀な人材であったが、希少な治癒系能力者で失う訳にはいかなかったため訓練隊長に任命していた。訓練中に怪我は付き物でもあったための意味も含めて隊長を任せていた。


彼女も当然、日々鍛錬を欠かすことなく続けていたため、相当な強さは身につけていた。ディリオスは訓練生の一人であるクローディアは、北部の部族代表だと言う事を話して代表者を訓練生から落とすのは、北部に対して色々面倒になると話をしていた。


特別目を懸ける事は良くない事だとは分かっていたが、出自の事を話してある程度強くなる為の指導を頼んだ。

当然、彼女が音を上げたら、それは仕方のない事として受け入れると言うことで話をつけた。


 話し終わると彼は二階から飛び降りてそのまま姿を消していった。彼が発する何とも言えない威圧感のある凄味を始めて目にした。

いつもミーシャと買いにきてくれていた彼とは、全く別の人間のように思えるほど周囲を圧倒していた。


 出ていったはずの彼が凄い速さで戻ってきた。

ネストルとセシリアも先ほどまで真剣にしていた組手が、嘘のように不安な目つきをしていた。


「ジュン! お前は俺とともに来い。準備が整ったら城門に来い!」

「はい!」


ディリオスは彼らに何かを伝えてそのまま出て行った。


(アツキ!!)


彼は声をかけたが返事は無かった。

高閣賢楼に行っていると即断し、あそこなら危険な目に合う事は無いと安堵した。おそらくサツキも行っているはずだと彼は考えた。

 

 訓練所ではアメリアが安全な地区に移動するよう誘導していた。クローディアはかれらの強さを知っていたから、容易に何が起こったのか理解はできたが、それはそれで自分たちが戦った相手よりも遥かに強い、恐ろしい敵に困惑していた。


アメリアは彼女の元へ行き「北部のクローディアさんですね?」

と聞いてきた。「はい。そうです。一体何事ですか?」


「天使の塔からついに動があった模様です。ロバート王の予知夢通りなら北部のグリドニア神国に行くはずですが、まだ不明な事も多いので戦えない者たちは皆、避難します」


「わかりました。ありがとうございます」

訓練所を出て城壁を見ると黒衣の者たちが二百名ほど立っていた。


「ディリオス様! 訓練所の者たちを非難させたら私はどうしたらよろしいですか!?」


「前線には出るな。城壁にいる者たちもこれから気配を殺して様子を見る。いざという時にはお前の力が必要になる。第七位は途轍もなく強い。ネストルとセシリアにはそれぞれの使命を遂行するよう伝えた。


防衛隊長はハヤブサだ。もしも奴らが漏れた時の場合のみ行動に移す。あれから長い時間出てこなかったのに、今出てきた理由も気になる」


「アツキさんとサツキさんは例の場所にいるのですか?」

「そうだ、あそこは結界に守られてるから心配ない。強い用心棒もいるしあの二人は安全だ」


「アメリアもクローディアも心配はしなくていい。こっちに来る可能性は非常に低い。今は安心して隠れておけ」


ディリオスはそう言うと荷馬車から大きな袋の中身を確かめてからそれを持って城壁にいるハヤブサの元までひと蹴りで跳躍した。


「どう思われますか?」ハヤブサの目は、見逃す事無く鋭い眼光で光の塔を見ていた。

「ロバート王の予知夢から随分ときが経ち過ぎている。奴らが何を考えているのかはアツキとサツキが今調べに行っている。だが膨大な量の本から目当ての本を探すだけでも一苦労だ」


「そのまま北部へ行ってくれればいいのですが、ドークス帝国の惨劇もありましたし、悪魔もいますし、正直わかりませんね」


「その通りだ。だから俺たちがいる。今度の戦いでは多くの犠牲者が出るだろう。敵は国家単位で滅ぼすことが可能なほどの軍勢だ」“速い翼”の異名を持つハヤブサは頷いた。


「出てきました。北部へ向かっています。ディリオス様の言う通り、尖兵は全て大天使です。ですが方角的にはヴァンベルグ君主国のほうへ向かっています」


「妙だな。魔のバベルに動きはあるか?」


「お待ちください」ハヤブサは眼力を強めた。


「今の所動きはありません」“速い翼”は眼光を強めたままヴァンベルグ君主国へと目を向けた。


「ヴァンベルグ君主国に魔の者が見えます。と言うよりも魔族の者たちしかいません」


「なんだと!? どういうことだ?」


「すでにヴァンベルグ君主国は、魔の手に落ちてます」


「天使の後続の軍勢が魔のバベルから出てきた軍勢に、襲われています」


「城の王は誰だ!?」


「イシドル・ギヴェロンになっています。リュシアン王子は見当たりません。天使の軍勢は完全に遮断されました。今のままでは天使が負けることは間違いありません」ハヤブサはそう言うと能力を解除した。


「ハヤブサ、イストリア城塞は任せたぞ。俺は知の番人の場所まで行ってくる」


「お任せください」能力の負担が大きかったのか、目を閉じながら彼は言った。



 黒装束の男は城壁から飛び降りると、そのまま静かに疾走していった。

(あの頃から約二カ月で一体ヴァンベルグで何があったというのだ? てっきり新国王になって忙しくしているとばかり思っていた。


リュシアンもいないと言う事は、あの魔の者以外にもまだ他にもいたのか? もしそうなら逃げ延びていればいいが、魔族の者に勝つ事は今のリュシアンには無理だ。


だが、何故そのまま南に行かなかったのだろう。北部連盟とは敵対していたからか? リュシアンがイストリア城塞に来れば争いの火種となると考えての行動か? 


つまり西に向かったことになるが、グリドニア神国に行くはずはない。南西に向かった可能性が一番高いということになるな……だが今は天使と悪魔の事に集中しよう)



 黒衣を纏ったディリオスは知の番人の場所についた。


(アツキ。聞こえるか?)


(ディリオス様、聞こえます。どうかされましたか?)

彼は結界内ならやはり通じるなと思った。


ついに奴らが動いたぞ)


(ここに居たら安全だが、あの爺さんが強力な結界を張っているようで、イストリアとは交信不能な状態だ)


(おかしいとは思ってましたが、そういう事でしたか)


(今俺はお前たちの上の地上にいるが、爺さんはどこにいる?)


(わかりません。我々は数時間前に来ましたが、見かけてません)


(二人とも上がって来れるか?)


(はい。今すぐそちらにいきます)

 


 ディリオスは状況を整理した。

(天使は後続の軍が分断されたとハヤブサは言っていた。

つまりは後続の指揮官である、権天使狙いで悪魔は動いたことになる。


しかも、後続の軍勢だけなら副官は一緒にいるだろうが、主力の軍勢はすでにヴァンベルグに攻め込んだということだ。


戦いが始まった今ではもう引き返せない、今引き返せば完全に両側からの挟み撃ちに

あいすぐにもやられてしまうだろう。


権天使の事はここにある本で読んだから分かるが、人間を襲うことはまず無い。

かれらは人間の味方だと言い切っていいだろう。悪魔の誘惑から守るという使命がかれらにはある。


そして権天使たちがこの世界に出て真っすぐヴァンベルグに向かったと言う事は、ハヤブサの言う通り、すでにヴァンベルグが魔の手の者に落ちていたと言うことを知っていたことになるが、天の塔から天使が出た報告は一切無かった。


俺が階層ごとに結界があると思い込んでいたか、あの魔の者のようにどこかに潜んでいるかのどちらかと言う事になってくる。だが現れてヴァンベルグに一直線で向かったとなると、前者のほうが妥当だと言える。


感知タイプがいるはずだし、爺さんのような結界が無ければ容易に敵の位置を知る事は可能だ。

しかし、俺の理解を越えている。たったの二カ月程度で一体何があったというのだ? 仮にリュシアンが狙われているとするならば話は変わってくる。


迷惑がかかると分かり切っていながら、イストリア城塞に来るような奴じゃない。どこかに紛れて身を隠すだろう。しかも南西ならこの近くのはずだ。


アツキもサツキも今ここにいる。リュシアンも気になるが、天使がどれほど劣勢なのかは先に知らなければならない。状況次第では再び介入する事になるからな。


悪魔の強さのほどにもよるが、権天使たちが絶対的に人間の味方である以上、今を置いて実戦を体験することは難しいだろう)



 アツキとサツキが上がってきた。

「サツキも奴らの事を知らなかったのか?」


「先ほど兄に言われて初めて知りました」神妙な顏つきで答えた。


「天使どもはヴァンベルグに一直線で攻め込んだ」


「ヴァンベルグにですか? リュシアン新王は無事なのですか?」


「それがよく分からないんだが、イシドルが再び国王になっているらしい」男は険しい顏をして答えた。


「あれからそれほど時は経ってないのに何があったのでしょうか?」


「ハヤブサに見てもらったが、ヴァンベルグに人間は一人もいないと言っていた。完全に魔族が制圧している状況だ」


「俺の見立てでは、リュシアンはヴァンベルグから南西に逃げたはずだ。つまりここからそう遠くない場所に逃げたことになる。状況からみて隠れているはずだ」


「わかりました。私が知る限りでは、この近くには街は一つしかありません。情報屋や闇市もあり、あまり評判の良い街ではありませんが、行ってみましょう」


「サツキは話が速くて助かる。お前について行くから先導してくれ」


「わかりました。兄さんも遅れないでついて来て」


「わかってるよ。ディリオス様と比べられたら困るが、これでも俺は結構強いんだぜ」自信を持った顏をしていた。


サツキとジュン、ディリオスは表情を緩めた。


「それではいきますね」

皆はサツキについて行った。



 ハヤブサは再び鋭い眼光で天魔たちの動きを見ていた。

数で言えば魔族のほうが遥かに多かったが、尖兵である大天使たちの強さは桁違いだった。


後方との軍勢との進路を悪魔たちは断ち切ってはいたが、後方にいる副官であろう二人の格上の天使が指揮官と同じ姿をしていたため、ディリオスが言っていた権天使なのだとすぐに気づかされた。


大天使も強かったが、それらよりも圧倒的に強かった。

悪魔も決して弱くなかったが、相手が強すぎる故、勘違いしてしまいそうな程強き者たちだった。


 ハヤブサは大天使になら勝てる自信はあったが、副官にはどうやっても勝てる気がしなかった。


彼は思わず城壁から簡単に見える位置にある、訓練所での鍛錬をしている者たちに目を向けた。


仮に、かれら全ての者たちが一斉に、大天使に襲い掛かったとしても

一撃のもとに全員やられるだろうと思った。


彼は主より警備隊長に任命されたが、己の力では殆ど何も出来ずに終わると感じた。

同時にアツキやサツキは、何故、最前線に行けるのかと考えた。


ディリオスの強さは皆知っているが、最前線でのディリオスの強さは自分も含め皆知らないのだと理解した。彼は遠くを見ていたが、すぐに南の森へと目を向けた。



凄絶な圧倒的な強さと速さの黒い集団が向かってきていた。

彼は突然の事に思考が一瞬止まった。彼は城壁の刃黒流術衆に戦闘態勢を取るように手で合図した。


近づけば近づくほど、恐ろしいほどの強さに、思考と体は動かなくなった。先頭を走っていた者がまだ遠い距離であるにも関わらず、一気に城壁まで飛んできた。


そしてハヤブサの横に立った。


「ご苦労。久しぶりだな」彼は顔を見た。


「ギデオン様。お久しぶりです」その言葉しか出なかった。

すぐにハヤブサは戦闘態勢解除の合図を送った。


「ディリオス様はおいでか?」


「今は出掛けておりますが、明日には戻られます」


「臆しているな。まあ、そうでなくては困る」


「明日はディリオス様に初挑戦になるが、絶対に勝って見せる」

そう言いほくそ笑んだ。


「今日は今から休んで明日に備える。警備ご苦労」


ギデオンは黒衣の者七百面と共に城内に入っていった。


ハヤブサは安心と恐ろしさを同時に感じた。


強敵だと先ほどまで感じていた大天使に、囲まれたとしても

ギデオンなら一瞬で片付けるほどの恐ろしさを感じたからだ。


 レガとギデオンが三回づつディリオスに挑戦し、勝つまでは戦いを禁じていた理由が分かった気がした。

先の先まで読んでいるディリオスに改めて彼は敬服した。




 ディリオスたちはサツキに先導されて街についていた。


街に入るなり、彼たちに近寄ってくる女がいた。

「この女は敵ではありませんが、我々を刃黒流術衆だと思っています」アツキは女の心を読んで伝えた。


「どうやらディリオス様を名乗る偽物が多いようです」

女は焦った。思考を全て読まれて、戸惑わずにはいられなかった。


「地下組織に拠点を置く“静かなる緑炎”という組織の一員です。この女の名前はアンナ・ランバートと言う者のようです。


能力者で身体精神エネルギーを吸収する能力者です。能力名は“寂然なる白砂”といい、触れる事によって自分よりもエネルギーが低い物や人間を砂に変えてしまう能力者です」


アツキは明らかに能力が上昇していた。日々の鍛錬の成果で、心の奥まで読めるようになっていた。そして今も更なる開花を目指していた。


「砂に変えるとは危険な能力だな。街には必要ないし、俺たちにも無関係だ。おい、女。俺たちには関わるな。何かするつもりなら消す」将であろう男は女に対して静かな殺意を向けた。


「お兄さん! 一つだけいいですか?」女は動じながら聞いてきた。「なんだ?」


「ディリオス様かどうか聞きたいようですよ」

女が聞く前にアツキが答えた。


「もしかして、あの事に関する何かを知ってるのか? この女」


「いえ、その事に関しては、知らないのかどうかわかりません。考えている事とは無関係のようです」


「おい、女。ヴァンベルグのリュシアンを知っているか?」


「名前は知ってますけど、顏は見た事がないので、何とも言えないですね」


「白い毛皮を着た少数の者たちをここ二カ月の間に見たか?」


「記憶にはないようですね。心底まで見ましたが、彼らの記憶はないです」アツキが答えた。


「じゃあこの女には用はないな。確かに良い街とは言えないようだ。俺は一人で探してみるが、お前たちはどうする?」


「お兄さん!」


「なんだ? お前には用はない消えろ」


「わたしたちのボスなら何か知ってるはずですよ!」

ディリオスはアツキを見た。


「地下組織のようです。組織としてはそれほど大きくはありませんが、情報は得られるかは不明ですが、このアンナ・ランバートはボスに信頼を寄せています。


能力者のみでの少数組織ですが、ドークス帝国とも繋がりがあるようです。どうやら我らと敵対する可能性のほうが高いと思います。


天使と悪魔の事に関しては殆ど無知に等しいです。ですが、ドークス帝国と繋がりがある以上、何かしらの手がかりを得られるかもしれません」


アンナと言う名前の女は、首を何度も縦に振っていた。


「わかった。じゃあお前のボスとやらに会いにいくとしよう。先に言っとくが俺を騙したりしたら、皆殺しにするからな」


女はそれを聞いても首を縦に振り続けていた。アンナはついに見つけたと内心大喜びしていた。“静かなる緑炎”という組織のボスは、ディリオスに好意を寄せていた為、探すように部下たちに命じていた。


「理由は分かりませんが、やっと本物に会えたと喜んでいます」

ディリオスは軽く微笑んだ。


「本物かどうかなんてこれを見ただけで分かるはずなのにな」


そう言うと左腕に着けた黄金の腕輪を見せた。

アンナは心底喜んでいたが、理由は不明なため聞き流した。







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