30 爆会祭(4)
「さぁ、のこるチームもあと2つになりました!」
祭りも進み、のこり2チームという所になりました。
子供たちのチームは、見事な複合魔法を見せてくれましたね。魔法式からきちんと勉強して編んだもののようです。
カブさんのチームは、まさかのカブさんメインでフェンとバレンタインがそれを支える形でした。カブトムシの形をした衝撃波が生まれた時はかなり驚きました。
文官達は……あれはストレス発散に重きを置きすぎですね。好き勝手に高出力魔法を撃ってる感じでした。
そんなこんなで残りは金髪のチームと魔王さんです。
ちなみに、ここまでの魔法で像は無傷です。すこし固くしすぎましたか……? まぁ、気にしないことにしましょう。フェンをもふもふします。
出番を終えたフェンですが、少し悔しそうにしていたのでいつもより多めにもふもふしてあげましょう。もふもふー。
「金髪の挑戦です! さぁ、元ブッチャー団はどれほど成長したのでしょうか?! あの像に傷をつける最初のチームになり得るのか?!」
元ブッチャー団、最初にノアに来た時はかなり弱かったですから、あれからそこそこの時間が経ってどれほど強くなったのか、少し楽しみですね。
「いくぞお前ら!」
「「「おう! 金髪隊長!」」」
ブッチャー団にも金髪って呼ばれてるんですねあの人。
観客もちゃんと見てはいますが、大分酔いが回った人が多くなってきたせいか、少し注目度が低いです。
「俺らの魔法……見せてやる!」
……ん? 金髪たちの魔法、ほかのチームと少し毛色が違いますね。他のチームは威力が命と言った感じですが、金髪達の魔法は一点への集中を狙っているようです。
魔法で金属を作り出し、それを弾丸にするようです。そして金髪以外の人員が推進力を生み出し、金髪は……なるほど、像そのものに魔法をかけて弱体化を狙ってますね。
ルール違反では無いです。他のチームにはない発想というだけですね。正直、驚いている人が多いと思います。
私も、かなり驚いています。
「いけ! 俺たちの集大成だ!」
「「「「うおおおお!」」」」
金髪の掛け声とともに、弾丸が像へと発射されました。
鋭い金属音と共に、人々の間に落胆の声が響きます。弾丸は像の表面で止まってしまっているのです。
ですが……あれは。
「まだ、ですね」
ラムさんはわかってるようです。マトン君はきょとんとしていますが。
「まだだぁ! いけええええええ!」
金髪達の魔法はまだ終わっていません。推進力を生み出すために使っていた魔法には、もう一段階仕込まれていたみたいですね。
爆発するようにして生み出された推進力で、弾丸は像にめり込みました。
「な、なんということでしょぉー! 金髪チームが像に傷を残しました!」
びっくりです! ほかのどのチームも思いつかなかった方法で像に傷をつけるとは……やりますね金髪。少し見直しましたよ。
金髪は次は壊してみせると意気込んでいますね。勝手に次がある様になってますが……この盛り上がりならぜひやりたいですね。
なので、あまり落ち込まないんですよ。みんな。
傷をつけれなかったのは悔しいかもしれませんが、また挑戦すればいいのです。
私も協力しますよ!
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