第6夜 外交員

「今月、契約0件なら…わかつているね」

「はい…」

「3か月で1件も取れないのは、少し問題だよ…家族とか親戚、友人、どうにかしてよ」

「それは…はい…」

「もし…キミさえよければ、私の顧客を回してもいいんだけど…」

「やめてください‼」

「おっと…失礼…だが、今月は頼むよ‼」

「はい…」


「なんとかお願いできないでしょうか? 部長」

「キミねぇ、私も部下に強制なんかできないよ、パワハラになってしまうからね」

「そこを…お願いします、どなたか、ご紹介いただけないでしょうか?」

「……今は、仕事中だから、食事をしながらというのはどうだね?」

「……食事ですか……」

「嫌なら、結構」

「いえ…今夜お願いします」


「とりあえず3人、部下に話はしておいたが」

「ありがとうございます」

「じゃあ…解るね?」

「…はい…」


「ほぉ…今月はノルマ達成か…まっ…来月も頼むよ」

「はい支店長、それで、以前の申し出は、まだ有効ですか?」

「ん?」

「支店長の顧客を…という、お話です」

「……あっ…あぁ」

「では今夜…そのお話を…ねっ」

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