作家の自由

作家を志す君にちょっとした話をしよう

どうするもこうするも 君の自由だ



・・・



とある作家が校歌の作詞をしました


「手を繋いで一緒に」と書くと

手のない子に配慮しろといわれました


「大地を踏みしめて」と書くと

足のない子に配慮しろと言われました


「空に伸びる」と書くと

車椅子の子に配慮しろと言われました


「未来を見据えて」と書くと

視力のない子に配慮しろといわれました


何を書いても 何か言われるのです

何も書かなくても 叱られるのです


表現は 自由ではなかったのです

歌ですら 自由ではなかったのです

PTAという 権威の前にあっては

未来も展望も自由もなかったのです



・・・



彼らが本当に望むものは何なのか

作家には 到底わからなかった 

完成しないまま作家が 死んだ


何にも刺さらない 手にも掴めない

作品にどんな価値があるのだろうか

モノを作る権利が文句を言う権利に

負けるような 理不尽な世の中だ


優しいものづくりは しても良いが

弱いものづくりはするべきではない


信念なき創作物は塵芥の価値もない

配慮と優しさと理不尽の入り混じる

世界に何かを生み出すというならば


けして思考を止めてはいけないよ

そしてそれに屈してはならないよ

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