大海に辿り着いた蛙

 蛙が井の中から旅立って大海に辿り着いた。

 腹が減ったので獲物を探すと、いつも食べていた蛞蝓なめくじによく似た生き物がいた、海牛である。

 海牛を食べて海水を飲むと喉がカラカラに渇き、みるみると痩せて骨と皮だけになって行き倒れてしまった。

「なんで蛞蝓に似た奴が毒で水が砂なんだ? こんな事になるなら住み慣れた井の中から離れるんじゃなかった」


 このように以前の経験に頼って新しい環境に翻弄される人は多いものだ。

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