第49話 冬華との買い物デートと一緒に卓球の技について調べる

 午後の授業が終わって家に帰りテレビをつけてニュースを見ると「来週から雪が降る可能性がある」と言っていた。

 僕は玄関に行って冬靴の状態を見ると、靴底がすり減り、しかもサイズが合わなくなっていた。

 なので今週の土曜日に冬靴を買いに行くことにした。

 そう思ってリビングに行くと冬華からメッセージが届いていた。

【冬華】ニュース見ました?

【冬華】来週から雪が降るみたいですよ?

【冬華】冬の準備は出来てますか?

【宮都】今週の土曜日に冬靴を買いに行く予定。

 と僕がメッセージを送るとすぐに返ってきた。

【冬華】そうなんですか。

【冬華】なら、一緒に買いに行きませんか?

【宮都】どこに何時集合でどこに買いに行く?

【冬華】朝10時にいつも通り宮都の家に迎えに行きますね。

【冬華】近場にあるデパートを予定してます。

【宮都】いいぞ。

【冬華】わかりました!楽しみにしてますね!

【冬華】それでは!

【宮都】おう!

 そんな感じでメッセージのやり取りを終えた。


 そして土曜日。

 約束の時間ちょうどに冬華が家に迎えに来た。

 服装は前昴たちと出かけた時と同じ服装にメガネをつけていた。

 僕は歩きながら

「冬華は今でも僕からしたらかわいいけど、着飾らないのか?」

 と冬華に聞くと

「宮都と出かけるときには本当はかわいい服を着て着飾って出歩きたいのですが、ナンパされたくありませんから。だからわざと伊達メガネや地味目な服とかダサい服を着るようにしているんです」

 そう自慢げに答えた。

 デパートに行くとまだクリスマスまでにはだいぶ期間があるのに、だんだんとクリスマスの雰囲気が感じられるような商品がちらほらとだが商品として並んでいた。

「気が早いよなぁ、まだクリスマスまでまだ日があるのに」

「ですよね。まだ私も早いと思います。そう言えばなんですが、クリスマスの予定はどんな感じですか?」

 そう聞いてきたので僕は

「う~ん、家族と過ごそうか、イベントに行こうか迷ってる」

 と冬華に答える。

「何のイベントですか?」

「二次創作物とかグッズを販売するイベントだね」

「少し待ってください」

 そう言うと冬華がスマホを出して調べ始める。

 少しすると

「売り子と呼ばれる人たちがほとんど女性ですし、しかもきわどいコスプレをするのでだめです」

 そう言いながら人差し指でバッテンマークを作る。


 しばらく歩いていると、人が多くなってきたので僕は

「はぐれないように手を繋ぐぞ」

 そう言って冬華に右手を出すと、

「手を繋ぐとき恋人つなぎをしてもいいですか?」

 と聞いてきたので「もちろん」と僕が言うと「ありがとうございます」と言って手を繋ぐ。

 その状態で靴屋に行き、冬靴を買う。

 僕が靴を選んでいる間、冬華は僕の服の裾をずっと掴んでいた。

 冬靴を買い終わると冬華が

「あの、トイレ行ってきてもいいですか?そして宮都にお願いなのですがあそこのベンチで待ってていてほしいんです」

 そう言ってきたので僕は「わかった」という。


 ベンチに座って待っていてもなかなか冬華がこないのでトイレの近くに見に行ってみると冬華が知らない男性たちにナンパされていた。

 なので僕は

「なぁ?そこの男ども。僕の彼女に気安く話しかけてんじゃねぇよ?」

 と怒気を込めて言うと何故か男性が生まれたての小鹿のように震えだし

「す、すみませんでしたー!もうしないので許してください!」

 と言って去って行っていた。

「大丈夫か?冬華」

 と言って近づくと

「宮都、こわかったよ~!」

 と言って抱き着いてきた。その時の冬華は体が震えていた。

 しばらくするとその震えも収まったので移動することにした。

 歩きながら

「僕、怖かった?」

 そう冬華に聞くと

「かっこよかったです!私には救世主のように見えました!」

 と僕に言うと続けて

「あの、腕に抱き着いてもいいですか?」

 そう聞いてきたので

「冬華がしたいようにすればいいよ」

 と僕が答えると冬華が腕に抱き着き「宮都の腕、頂いちゃいました!」と嬉しそうに呟いた。

 デパート内を歩いていると「正午をお知らせします」というアナウンスが聞こえた。

「昼ご飯どうする?」

「あの、コンビニでご飯を買って私の家で食べませんか?本当はこういうところで食べたかったのですが、さっきのことがあったので怖くて…」

 そう冬華が言ったので

「んじゃ、そうしますか」

 と僕が言うと

「私のわがままを聞いてくれてありがとうございます」

 そう言って冬華がさらに体を密着させてくる。すると、防寒着の上からやわらかい感触が2つ伝わってくる。

「冬華さん、やわらかいものが当たってますけど?」

「いいんですよ。わざと当ててるんですから。どうですか感触は?」

 そう聞いてきたので

「気持ちいいです。」

 と照れながら答えると

「正直者にはご褒美です!」

 と言うと僕の頬にキスをしてきた。

「お前なぁ~!」

「いいんですよ。付き合っているのですから」

 そう言ってきたので

「公衆の面前でやるなよ…」

 と僕が言うと

「我慢は体に毒なんですよ?知ってましたか?」

 そう言ってきたので

「そうだよな!体に毒だもんな!」

 と言うと「わかればいいんですよ」と冬華が言う。

 僕はそんな冬華を見るとどうでもよくなった。


 僕と冬華は家の近くのコンビニに行く。

 ちょうど昼時というのもあってか、弁当の種類が豊富だ。

 俺は寿司セットに決めた。

 すると冬華がきて

「私はサンドウィッチにします。宮都は決まりましたか?」

 と聞いてきたので

「寿司セットにした。新発売らしいから」

 そう俺が言うと

「コンビニでもお寿司が食べれたんですね…」

 と言って驚いていた。

 会計を終えて冬華の家に行く。

 すると傑さんが

「お帰り冬華。早かったね。お、宮都君じゃないか!久しぶり!」

 と言ってきたので

「お久しぶりです」

 と僕が言うと

「ところでなんでこんな早く帰ってきたんだ?予定ではもう少し遅かったはずだが」

 そう傑さんが聞いてきた。

「それはですね、言いにくいのですが、ナンパされたので帰ってきました」

「誰が?もしかして冬華が?」

 そう傑さんが聞くと冬華が首を縦に振る。

「私は急用ができた。宮都君。ありがとうな。ゆっくりしていってくれ」

 そう言って傑さんがどこかに行った。

 すると冬華が

「私のことをナンパした3人は人生終わりましたね。ご愁傷さまです」

 そう両手を合わせていった。

 僕は「どういう意味?」と聞こうとしたが、聞いてはならないと思ったので聞かなかったことにした。


 冬華の部屋に行くと早速買ってきた物をテーブルに置いて食べることに。

 食べていると冬華が僕の買ってきた寿司を凝視していたので

「食いたいのか?」

 と聞くと冬華が「コクッ」と可愛く首を縦に振ったので僕は

「何が食べたいんだ?」

 と聞くと冬華が

「マグロです。私、大好物なんです。」

 そう言ったのでを渡して

「食べてもいいぞ」

 と言うと、「ありがとうございます!」と言って食べる。

「ん~っ!おいしい!」

 そういい笑顔で言った。

 そして食べ終わると冬華が頬を赤く染めて

「あの、つかぬ事を聞くのですが、さっき私が使った箸って宮都が使ってたやつですか?」

 と聞いてきた。

「気が付くの遅くね?!」

「なんで宮都は平気な顔をしていられるのですか?!間接キスですよ?!」

「今更じゃない?唇にキスして、さっきは頬にキス。そして今は間接キス。そのうち2つは冬華から。照れる要素あるか?」

 そう冬華に聞くと

「そう言われると言い返せない私がいます…。ですが!宮都はもっと照れるべきです!」

 と言ってきたので

「慣れって怖いよな」

 と言うと

「慣れるの早くないですか?!」

 そう僕に言うと「宮都は私に飽きたんですね…」と意味が分からないことを言い始めたので頑張って説得した。

 そして機嫌が戻った冬華と一緒に球技大会でやる卓球について調べ、有益な情報などをノートに書いて共有し、次の体育の授業で練習することにした。


 結論は上手く行かなかった。

 まぁ、初心者が1回でできたらプロの人が泣くよな。

 そう僕が思っていると

「練習をしなければ…」

 と冬華がテストと同じ状況になりかかっていた。

「冬華、ストップ。この前みたくなってたよ。」

「す、すみません。なんかできないと燃える性格たちなので」

「それはいいことだが、やりすぎはだめだ」

 と言うと

「でも、負けちゃったら…」

 と暗い顔をしたので

「僕たちは初心者だぞ?だから、初心者は初心者なりに頑張ればいい。できないことがあってもだ」

 そう言うと

「そうだと分かっていても責任を感じてしまうんです」

 と言ったので僕は冬華に

「責任なんていうものは球技大会においてはないよ。行事なのだから。だから楽しめばいい。負けたら負けたで「しようがない」と思えばいいんだよ。」

 そう言うと冬華が

「宮都が言うのだからそれが正しいのでしょう。わかりました。勝ち負けにこだわらずに楽しみます。」

 と言った。

 そのあとは遊び感覚で冬華と練習しているといつの間にかできるようになっていた。


 そして放課後。

 冬華と帰っていると空から白い綿のようなものが降ってきた。

「雪ですね!天気予報通りでしたね!」

 と言って冬華が喜んでいたが次第に

「寒くなってきたので早く帰りましょう。特に足が冷たくなって辛いです…」

 と言ったので僕たちは早めに帰ることにした。


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