第46話 球技大会の予感がひしひしと伝わってくる時期になる

 今日は経過観察のための検査の日。

 時間は午前10時ごろから午後5:00までだ。

 検査の内容は前回と同じで、検査結果は今日中にわかるんだとか。

 検査結果が出るまで待合室でテレビを見ることに。

 しばらくすると呼ばれたので両親と一緒に診察室に行く。

 検査結果は良好で運動も解禁された。そして検査にはもう来なくてもいいと言われた。


 検査を終えて家に帰ると鏡花が

「お帰り!お兄ちゃん!検査結果どうだった?」

 と聞いてきたので僕は

「運動してもいいよって言われた!」

 とそう答えると、鏡花が

「体育さぼれなくなったね」

 と言ってきたので

「まぁ、これから球技大会だからさぼれる可能性があるんだけどな」

 そう僕が鏡花に言うと

「なんで?球技の練習しないの?」

 と聞いてきたので

「噂ではテーブルゲームという種目があるらしいからな。それに出ることができればさぼることができる!」

 と僕が鏡花に理由を言う。

 すると鏡花が僕に

「お兄ちゃん。捕らぬ狸のなんとやらだよ?」

 とジト目で言ってきた。

 鏡花と話していると僕のスマホから着信音が鳴ったので見てみると冬華からだったのですぐに出る。

『宮都、検査終わりましたか?』

「今終わって帰ってきたところ」

『結果はどうでしたか?』

「体育ができるようになった」

『よかったですね!でも、さぼれなくなっちゃいましたね』

 冬華が僕に言う。

「鏡花と同じこと言ってるよ…」

『ほんとですか?!奇跡ですね!』

 そう冬華が僕に言ったので

「それは奇跡じゃないぞ?ただ頭の中で思っていることが同じなだけだぞ?」

 と教える。

『何のことでしょう?』

「白々しいなぁ」

 と僕が言うと

『ごめんなさい。さぼりじゃなくてただ座ってみている見学でしたね』

 笑いながら冬華が言ったので

「今日冬華にしては珍しく毒吐くね。何かあったの?」

 と聞くと

『長くなりますよ?いいですか?』

 そう僕に聞いてきたので「いいぞ」と僕が言うと話し始める。

『今日、宮都の付き添いで病院に行きたかったのに、お姉ちゃんが私のことを無理やりデパートに連れて行って自分が着る冬物の服と靴、化粧品とかを買ってそれを私に持たせたんですよ?専属の執事がいるのにですよ?宮都はどう思いますか?』

 そう僕に聞いてきた。

「う~ん、そうだね。いきなり連れ出した方が悪いけど、それは冬華のお姉さんなりの気遣いとかそういうものだったんじゃないかな?」

『そうでしょうか?』

「多分そうだよ。まぁ、僕は冬華のお姉さんじゃないから確実なことは言えないけどね」

 と僕が答えると冬華が

『あとで聞いてみます』

 そう言ったので

「それがいいと思うよ」

 と僕が言うと冬華が

『わかりました。また何かあったら通話かメッセージを送りますね』

 と言って通話を切る。

 そのあと冬華がメッセージで『宮都の言っていたことそのものでした』と送ってきた。

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