第20話 家政"夫"の新たな日常

 目が覚めた康太は横を確認する。そこには京介の寝顔があった。

 昨晩のSEXのあと、京介が絡み付いて寝てしまったのでそのまま朝まで康太も京介のベッドで寝たのだった。


 康太は京介を起こさないようにそっとキスをする


「おはようございます、京介さん」


小さな声でつぶやき、シャワーを浴び自室へと戻る。着替えをしようとしたそのとき


「うわー!」


 康太の目に入ってきたのは、鏡に写った自分の身体に無数のキスマークが付いていた


「もう!なに?なん個あるのこれ?」


キスマークが見えないようにハイネックの服を選ぶ。幸い、服で隠れやすいところにしかされていなかった。なんとか誤魔化せそうである。


 さぁ、家政夫としての通常のスタートだ。

朝ごはんの用意、洗濯を始める、和子を起こしに行きそして、京介を起こしに寝室へ…


「京介さん、おきてください!京介さん!」


いつもは優しい口調の康太が今日はキツめに起こす


「康太、おはよう。起きた瞬間康太を見れて幸せ」


康太に抱きつき、のろけた京介だが、次の瞬間!


「京介さん、なにやってんですか!この……これ!

 こんなんされたら困ります。二度としないでください!いいですね?」


 康太は胸元のキスマークを見せて言う。

 康太に怒られるのは百も承知のこと。怒られることも嬉しい京介は


「俺たちがそれは愛し合った証!あ、もっとつけようか?

 常に俺のマークあるの嬉しくない?愛してるよ、康太」


 追加でキスの嵐を送る。


「朝ごはんの時間ですってば!早くしてくださいね」


 京介の手を振り払い、あわてて部屋から出て行く康太。

 その様子がかわいい京介は布団に自分の顔をうずめるのでした。


 和子と京介、そして康太の3人での朝食が終わると、いつも通り京介は仕事部屋に。和子は身なりを整え外出へとでかけていった。


 康太は掃除を済ませ、10時のお茶菓子をもって京介の仕事部屋へ。

 いつも通りにコーヒーカップを置いた瞬間、京介は、康太を自分の上に座らせキスの嵐を送る。


「ちょっ……ちょっ……京介さん!」


ヤバい!と思った康太は京介の口を両手で塞ぐ。そして


「お仕事をしてください!今は仕事の時間です!」

「だめ?」

「だめです。今は仕事をしてください!」

「じゃ、仕事じゃない時間はいいんだね?」


そういうと、康太を解放した。


昼食タイム。

 3人仲良く食卓を囲み食べる。

食べ終わると珍しく食器をキッチンまで京介が運ぶ。その様子を見て慌てて食器を受け取る康太。その瞬間に和子に見えないようにこっそり康太にキスをする。

「んー!」

コラ!という感じで声のない声で康太は怒る。

それもまた、京介は楽しい。


15時。おやつの時間。

 康太は、今回はキスをさせないぞ!と意を決して仕事部屋に入る。

 ちょうど京介は電話中だった。

 康太は安堵感と少し寂しさも感じながらお茶を交換する。

 そして、ドアの方へ向かおうとしたら、京介はバックハグをしてきた。

 ハグしたまま、康太の耳元で電話をし続ける…

 そして、会話の途中途中で、康太の頭にキスしてくる。

 康太の腰に回された手は時折乳首を探るように触ってくる。

 康太はただただ自分の吐息が電話の向こうに聞かれないように口を塞いで耐えた。


 そして、電話を切った瞬間、

 康太を振り向かせ、熱いキスをする

 荒々しく、貪るようにキスをする


 しかしまた電話が鳴り、一瞬キスが止まった。康太はその瞬間に離れて部屋から出ていった。



 夕方、和子が帰宅する。

 何事もないような日常がまた戻るのだ。




 夜、家政夫としての仕事が終わり、康太は風呂に入る。シャワーを浴びながら、このあとのことを期待をしていく


  このあとって……


 身体の隅から隅まで念入りに洗い、このあとの京介との時間を想像し、期待で胸と下半身が膨らむのを感じた。


 浴室から出ると、そこには京介がすでに待ち構えていた。


「どうしてここに?」


康太は聞いてみる


「俺がなぜここにいるか本気でわからないの?」

「…………いえ」


 京介は、壁に康太を押しつけ、キスをする。すると康太は両腕を京介の首の後ろに回す。

 受け入れてくれている康太の行動に、嬉しくなりキスは激しさを増して行く。


 キスをしながら抱きあげ、康太をベッドまで連れて行く

 

 ベッドの上で康太の服を首元までまきあげる


 昨日のキスマークが見える…


 キスマークの場所に再度キスをする…


「あっ……」


 康太の吐息が漏れる


 右手は康太の顔まわり、口を触り


 左手で一気に康太の下半身を脱がせ

 京介は、康太の下半身に顔をうずめる…

 愛しそうに…上目遣いで…

 いやらしそうに……康太を誘うように……咥えていく


「京介さん……僕も……」


「いいのか?」


「はい。やってあげたい……」


そう言って康太は京介の服を全て脱がせる


 ひとつづつ…

 ひとつづつ大人の世界を知って行く康太


 今宵も康太は京介のベッドで眠る

 康太にとってはなんと至福な時間。

 誰かに求められて、誰かがそばに居てくれる

 その幸せを噛み締める康太なのでした。

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