第33話 ナギの報告
本殿の中には白い巫女装束を身に
「さぁ、ユナ様のところへお行きなさい」
ミコト先生に軽く背中を押されたナギは、小走りでユナ様の
「お上がりなさい、ナギ」
ナギは
ユナ様はナギの右手をそっと
「こちらへ」
ナギの手を引いて奥へと招き入れる。
そこから本殿を抜け、外廊下に出て離れへと向かう。
離れには
「戸をしっかりと閉めて」
ユナ様はそう言いながら
「ナギ、こちらへ。私は貴女に大事な話があります」
ナギはユナ様の正面に正座をした。
「はい、ユナ様」
「貴女は今日、演習で初めて長時間の意識の"共有維持"に成功しましたね」
「はい」
「その様子を、覚えている限り私に説明してください」
「わかりました、ユナ様」
ナギは、自分が視たこと、感じたこと、その全てをユナ様にお伝えしようと思った。
**** * * * * *
(意識が戻った?)
ここは〈
希は実体のない精神体としてここにいる。
ホストなしでここにきたのは、希の記憶ではこれで二度目になる。
夜の暗闇の中、灯籠の灯りが見える。ユナが起きているのであれば話をしたいと思い、私は離れのほうへ向かった。
(部屋の中でユナとナギの気配を感じる。意識を集中すると会話の内容がわかる)
希は希は
「私が演習でミツルギノゾミとして目が覚めた時、
「そうでしたか…… その前に貴女はまだ
「はい、ユナ様。私もいつか希さんとお話がしてみたいです」
「近いうちにお話できる日がきます」
(私はナギをホストにしたことで親近感をもっている。私もナギと会話してみたい。いまナギは演習で私をホストにした時の話をしている。大学のベンチで瞑想状態に入った時だ)
希はしばらくそのまま、二人の会話を精神操術で聞いていた。
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