第38話【様々な症状】

この仕事を休んでいる間に生活習慣を正していこう。

そうすれば少しは良くなるかもしれないと思った。

まずランニングやストレッチを続けていこうと思ったのだが、前々から違和感を感じていた事があった。


それは【股関節の痛み】【腰痛】【膝の腫れ】だった。

股関節の痛みは、片方に体重を乗せればかなり痛みが走った。

腰もズキーンと首の方まで響く痛みで、息も一瞬できないほどだ。

膝の腫れは数日で引いたのだが、左の足の倍くらい腫れていて膝がずれたような感覚だった。

その他にも【腕の骨】に痛みを感じたり【足の骨】も痛みを感じていた。


そうなればいつものネット検索。

いろいろ症状を検索しているうちに【骨肉腫】ではないかと思い始めた。

そうとなればまた病院。これで4件目の病院だ。


次は整形外科へ足を運んだ。

【股関節の痛み】【腰痛】【膝の腫れ】の事を説明し、レントゲンを撮ってもらったが何の異常もなかった。

明らかに痛みを感じているのだから、何もないことはないだろう。


どこの病院に行けば原因が分かるんだ。

そんなことばかり考えていた。


そんな中でも常に痛むのが【腹部】だった。

この腹痛は日に日に痛みが増してきて、それだけで鬱になりそうなくらいだった。

24時間痛みが引くことはなかったからだ。

強いて言うなら便を出すと少しは楽になるくらいだった。


だが、この腹痛が日々脅威を増していった。

意識が飛びそうなくらいの腹痛と【下痢】が毎日続くようになった。

この意識が飛びそうなほどの痛みが本当に怖くて、片手には携帯を持ち【119番】を押した状態でトイレにこもっていた。


そしてある日の夜中の2時頃、あまりの痛さに耐えられず救急で病院へ行った。

救急車を呼ぶのは忍びないのでタクシーを使って付近で1番大きな総合病院へ行くことにした。


今まではクリニックばかりで、大きい病院に来たのは初めてだった。

受付を済ませ診察室に入ると「一応CT取りましょうか」と言われた。

腰痛などのことを話したため【結石】を疑っていたようだった。


結果「特に異常はないですね。」だった。


いや、病院が苦手な僕が病院を何件もはしごして、ましてや夜中に救急で来るほどの痛みで何もないとはどういうこと?

何の病気?何か大きな病気を見逃されてる?と本気で思ってきた。


これで5件目の病院か。どこの何科に行けば分かるんだろうとずっと考えていた。


そんなことよりも妻を1人で働かせて申し訳ないとばかり思っていた。

何とか力にならないと。

そして痛みをこらえてまた働くことにした。


ちなみに家族以外に【謎の病気】で仕事を休んでいるとは言っていなかった。

休んでいる間も仕事の依頼の連絡を頂くのだが、仕事を断るときは「忙しくさせてもらってまして・・・」などと適当にごまかして相手に気を使わせず、治った時に仕事をたくさんもらえるようにしていた。


そんな時、知り合いの社長から座って作業をする事務の仕事を請けてくれないかと連絡をもらっていた。

それには飛びついた。かなり条件も良くて期間も3か月だけで少しでも家の足しになると思った。


実際に行ってみると作業はものすごく楽で、こんな仕事でこの給料をもらっていいのかと思った。

あっさり3か月が終わった。

体調は最悪ではないが悪いくらいをずっと維持していた。


この頃になると毎朝起きてから【吐き気】も始まり【腹痛】とのダブルパンチに毎日あっていた。


事務の仕事が終わると違う仕事が入った。

つくづく人には恵まれれているなと心から感謝した。


だがその仕事に行き始めてからまた異常が出始めた。

それは【疲労感】【吐き気】【腹痛】に加え【強烈な眠気】【急激な下痢】だった。

この疲労感と眠気のコンボは最強で、本当に今にも倒れそうな勢いだった。

実際、朝の5時ごろに家を出て夕方の18時ごろ帰宅して、風呂に入りご飯も喉を通らないから寝る。の繰り返しで寝ている時間は十分なはずなのに眠かった。


そして、極めつけは急激な下痢だった。

通勤で使う電車に乗るとお腹が痛くなるようになった。

「この駅で降りないと7分は次の駅には止まらない。でも降りたら遅刻してしまう。けれど、降りなきゃ漏れる。」が毎日襲ってきて、大好きな電車に乗るのが怖くなっていった。





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