第37話【全身観察】

そして、もう1度今までと同じクリニックへ行った。


前回までは疲労感だったのだが、今回は腹痛も診てもらった。

そういえば腹痛になる前に【超激辛のラーメン】を食べたことを思い出しそれを伝えた。

「それは、お腹の中が大変なことになっているかもしれないから血液検査しましょうか。」


『お願いします。』


『今回も何もなさそうですね。』


『うーん。そうですか。』

その時は、胃潰瘍や胃炎の時に使う薬をもらった。

それをしばらく服用すると、完全には治らなかったが以前より痛みを感じる日が少なくなってきた。


血液検査をしても何もないのに体には明らかな症状がある。これは他に病気が隠れているのか?

そう思い全身観察を始めた。


すると、背中に今までになかったイボができていた。

なんだこれは。

それと同時に見つけたのが右足の親指に黒い線が2本あった。

これは・・・・・【メラノーマ?】

つまり、変なイボと黒い線から【皮膚癌】ではないのかと考えた。


あわてて近くの皮膚科に行った。

すると先生が「あ~この線はホクロですよ。背中のイボもすぐに取れますけど。」と拍子抜けするくらいあっさりしていた。

ホクロと言えば【・】のイメージがあったのでまさかホクロだとは思っていなかった。

とりあえずイボも爪も大丈夫という事で放置した。


ちなみに心配性の僕は、全く同じところを別の皮膚科にも診てもらった。

そこでも同じことを言われた。やはりなにもなかったのだ。


これで今のところ皮膚科2件、内科1件へ行った。

『3件も行って何もないという事は気にし過ぎなのかな?』と思った。


『少し働いた方が気晴らしになるのか?』と思い働くことにした。

現場に戻るのは正直怖かった。絶対についていけないと分かっていたからだ。

こうして、約8か月ぶりに仕事をすることにした。


8か月ぶりの仕事は何をするにもしんどくて、筋肉痛もひどかった。

そこまでは予想できていたのだが、今まで人と会話をしなさすぎて「はい」と返事をしていただけで声が出なくなるほど喉が枯れた自分に自信を無くした。


体に疲労感や腹部の違和感はあったが、気にしすぎるのが1番ストレスだと思って気にしない努力をした。

それからも体は絶不調だが、仕事は順調にいっていた 。

先輩のつながりで色々な社長と知り合うことができて仕事の幅が広がり、個人的に仕事を請けるまでに成長した。


それから3~4か月して再び体に異変が起きた。

仕事最中に背中に痛みが走った。歩けなくなるほど痛かったが少し横になると楽になった。

でもそれからもずっと痛くて、そこでもネットで調べたり先輩の話を聞いたりしたが【背中が痛い】に良い話はなかった。

もしかしたら運動不足が原因なのかな?と思ってランニングやストレッチをしていると、家でごろごろしているより楽だった。

「走ってる方が楽なら病気じゃないか」と少し安心した。


だが、仕事になるとどうにもダメで限界が近づいてきていた。

またもや疲労困憊な状態が続き、さらに食用不振が毎日続いていて食事がとれない日が増えていった。


幸いにもそのとき請けていた仕事は工期が短い現場だったので「これが終われば1回休もう」そう思っていた。


そして現場が終わり再び休養生活に戻った。


休養すると元に戻すのに時間がかかるんだよな。と思いながらも妻に感謝しつつ休ませてもらった。








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