第3話 思い出

康平と付き合うことになった葵。

のちに二人が付き合っていることは学年でも有名になりみんなの憧れのカップルへとなっていった。

もちろん幸人もそのことを知る。

幸人は、今まで通りに葵と接するも、葵は康平の彼女。康平からの嫉妬もある。なので次第に幸人は葵と距離をとるようになった。クラスは同じで席も前後、授業中後ろの葵からいたずらをされることもなくなっていった。

シャーペンで背中を刺されたり、先生の見えないところでコショコチョされたり話すこともあまりなくなっていった。

2年生になりクラスはまた同じなり、もちろん席は前後になる。康平も同じクラスだ。葵とあまり話さなくなった幸人は学校で物足りなくなっていった。

幸人はその頃、初めて自分の思いに気づいた。

【葵が好きだ。】今までは葵と話すこともバカなことをすることも当たり前になっていて気付かなかったけれど、康平に葵をとられた気がしたのだ。

自分の思いに気付いた幸人は寂しくて寂しくてたまらない。いわるゆ嫉妬していた。

しかしどうすることもできない。葵も康平も人柄はいいし別れることはないだろうと思っていた。仲もいいしSNSにあがる二人の写真をみると葵は幸せそうだ。

葵と話すことも連絡することもなかったが、お互いの誕生日だけは何通かのメールのやり取りはしてた。そのメールでさえ幸人は楽しくてたまらない。しかし長くはメッセージのやりとりも続けられない。幸人は康平と葵のなかを壊したいわけでもない。

なので極力嫉妬されないようにしていた。

思春期で今の自分の思いを誰にも相談もできない。葵に伝えても困らせるだけ。ただただモヤモヤと、この思いに今まで気付けなかった後悔だけが幸人の心に残る。

幸人は葵のことを忘れようとする。幸人にも彼女ができたのだ。

凄くいい子で話も合う。一緒にいて楽しい。幸人も学校では有名で憧れのカップルといわれるようになっていた。

幸人と葵、お互いに恋人ができて周りから見ればすごい幸せそう。

次第に幸人は葵のことを少しずつ忘れていき、彼女に夢中になっていく。

しかし葵の誕生日が来るとメールを送るため、毎年思い出すことになる。

そのたびに思い出す。楽しかった葵のと思い出を。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遠回りの思い れんたろう @Rentarou001

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ